栃木県の日本酒銘柄一覧
喜連川 やすらぎの里
きつれがわ やすらぎのさと「喜連川 やすらぎの里(きつれがわ やすらぎのさと)」は、虎屋本店が醸す、地域への想いを込めた銘柄です。宇都宮近郊の喜連川(きつれがわ)地域の安らぎを感じさせる風景をイメージして名付けられました。 虎屋本店の伝統的な技術を背景に、地元の人々や観光客に親しまれる親しみやすい味わいを目指しています。創業以来のこだわりである宇都宮の名水「虹の井」を使用し、柔らかな口当たりと穏やかな香りが特徴です。 地域の風土を感じさせる一杯として、旅の思い出や地元の食卓を彩る銘柄として展開されています。
虹乃井
にじのい「虹乃井(にじのい)」は、虎屋本店の創業の原点である名水「虹の井」の名を冠した由緒ある銘柄です。 天明8年(1788年)、近江商人の初代当主が宇都宮の地に湧くこの水の素晴らしさに感銘を受け、酒造りを始めたことが蔵の歴史の始まりです。「虹の井」は宇都宮の七つの名水「七水」の一つとして知られています。 この銘柄は、蔵の原点である水の恵みへの感謝を込めて醸されており、透明感のある純粋な味わいが特徴です。宇都宮の都心にありながら守り抜かれた名水の記憶と、230年を越える伝統を現代に伝える、虎屋本店の魂とも言える象徴的なブランドです。
菊
きく「菊(きく)」は、虎屋本店の象徴的な代表銘柄で、蔵の長い歴史を現代に伝える伝統のブランドです。IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)で金メダルを受賞するなど、国際的にも高く評価されている銘柄です。 菊は日本の皇室を表す紋章でもあり、高貴で清らかな花として愛されてきました。この銘柄には、日本酒の王道を行く気品ある味わいを目指すという想いが込められています。宇都宮の都心で湧き続ける、歴史ある名水「虹の井」を使用し、洗練された品格のある酒質を実現しています。 栃木県内のみならず、世界中の日本酒ファンに愛される、虎屋本店の品質と誇りを象徴する一献です。
七水
しちすい EC「七水(しちすい)」は、虎屋本店の主力銘柄であり、現代の日本酒シーンにおいて革新を続ける注目のブランドです。 その名は、宇都宮に古くから伝わる七つの名水の総称「七水」に由来します。2000年代に純米酒主体の新ラインとして誕生して以来、瞬く間に人気を博しました。アジア最大級の「Oriental Sake Awards」で最高賞のサケ・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、世界最高峰の品質を証明しています。 「ワクワクする酒」をコンセプトに、酒米の持つエネルギー、旨味、そして香りを最大限に引き出す醸造を追求しています。鮮やかでフレッシュな味わいと、米の旨味が調和した飲み応えのある酒質は、伝統を守りつつも進化を恐れない虎屋本店の挑戦を象徴しています。
七井
ななついど「七井(ななついど)」は、かつて宇都宮市に存在した小林杢三郎商店が醸していた銘柄です。現在は廃業しており、栃木県の日本酒の歴史を伝える貴重な記録の一つとなっています。 銘柄名の「七井」は、宇都宮に古くから伝わる七つの名水「七水(しちすい)」を想起させる命名であり、宇都宮の豊かな水文化と共生していた蔵元の姿勢を象徴しています。宇都宮は「水都」としての側面も持ち、良質な地下水が酒造りを支えてきました。 廃業した今も、この銘柄はかつて栃木の都心で醸された地酒として、地域の歴史と共に語り継がれています。
大英勇
だいえいゆう「大英勇(だいえいゆう)」は、宇都宮市にあった小林杢三郎商店が醸していた、力強く勇壮な命名を持つ銘柄です。現在は廃業により製造されていません。 銘柄名の「大英勇」は、文字通り「大いなる英雄的勇気」を意味し、飲む人に活力を与えるような力強い味わいを連想させます。この命名は明治から昭和にかけての日本酒の文化的背景を反映しており、質実剛健で縁起の良さを尊ぶ当時の美意識を伝えています。 栃木県の中心都市である宇都宮において、かつて地域の人々に親しまれたこの銘柄は、廃業後も栃木の酒造業の歩みを物語る歴史的断片として記憶に留められています。
熟露枯
うろこ EC「熟露枯(うろこ)」は、島崎酒造が全国に先駆けて取り組んできた「洞窟熟成酒」の代名詞的な銘柄です。嘉永2年(1849年)創業の伝統技術である山廃仕込みをベースに、戦車製造用地下工場跡の洞窟で長期熟成させることで完成します。 洞窟内は年間を通じて約10℃前後と温度変化が極めて少なく、日光が一切遮断された理想的な環境です。この「洞窟熟成」により、新酒の荒々しさが消え、通常の貯蔵では得られない奥深いコクと、絹のように滑らかな喉越しが生まれます。 時間という魔法が醸した円熟の味わいは、まさに大人のための贅沢な一杯。冷やしてフレッシュに、またぬる燗でふくよかな香りと旨味を楽しむなど、温度によって多彩な表情を見せる、島崎酒造の情熱が凝縮された銘柄です。
極一滴雫酒
きわみいってきしずくざけ「極一滴雫酒(きわみいってきしずくざけ)」は、島崎酒造の技術の粋を集めた究極の大吟醸です。その名の通り、醪(もろみ)を袋に入れ、圧力をかけずに自然に滴り落ちる「一滴一滴」の雫のみを贅沢に集める「袋吊り」という製法で造られます。 この手間暇のかかる製法により、米本来の旨味と華やかな香りが最も純粋な形で抽出され、雑味の全くない透き通った味わいが生まれます。那須烏山の自然と蔵人の心、そして贅沢な手法が融合したその酒質は、まさに「極(きわみ)」の名にふさわしいものです。 特別な日や大切な方への贈り物に選ばれる、島崎酒造が誇る最高峰の芸術品とも言える日本酒です。
東力士
あずまりきし EC「東力士(あずまりきし)」は、島崎酒造の歴史と伝統を象徴する看板銘柄です。嘉永2年(1849年)の創業以来、地元那須烏山で愛され続けてきました。 その名は、2代目当主の熊吉が相撲を深く愛したことに由来し、「東」は関東の地を、「力士」は力強く伝統を守る精神を表しています。島崎酒造の代名詞である「洞窟熟成」を経て世に送り出される東力士は、那須岳を源流とする清冽な水と、熟成によって生まれるまろやかな旨味が調和した、抜群の完成度を誇ります。 風格ある味わいと、那須烏山の風土を感じさせる豊かな余韻。長い歴史の中で培われた蔵人の技と、洞窟熟成という独自の個性が融合した、栃木を代表する名酒の一つです。
廣重の郷 浮世酒
ひろしげのさと うきよざけ「廣重の郷 浮世酒(ひろしげのさと うきよざけ)」は、那須烏山の風土と、江戸時代を代表する絵師・歌川広重の芸術世界を融合させた情緒豊かな銘柄です。那珂川流域は広重ゆかりの地として知られ、その歴史的背景がこの酒に深みを与えています。 歌川広重が描いた浮世絵のような、日本の四季の移ろいや旅情を感じさせる洗練された酒質。洞窟酒蔵での静かなる熟成期間を経て、広重の絵に宿る繊細な色彩のように、複雑かつ優雅な味わいが引き出されています。 ラベルにも広重の作品が用いられるなど、視覚と味覚の両方で江戸の粋と烏山の歴史を楽しむことができる、島崎酒造ならではの文化的な一献です。
四季桜
しきさくら EC「四季桜(しきさくら)」は、宇都宮酒造が誇る代表ブランドであり、150年以上の歴史が育んだ栃木を代表する名酒の一つです。 その名は、初代当主が詠んだ「月夜の友は他になし四季桜」という句に由来し、四季を通じて桜のように美しく、人々の心に寄り添う酒でありたいという願いが込められています。日光連山の雪解け水を含む鬼怒川の伏流水(軟水)を用い、滑らかで洗練された口当たりを実現しています。 栃木県産の酒米と独自酵母にこだわり、やや辛口ながらも芳醇で膨らみのある味わいが特徴です。JAL国際線ファーストクラスで提供されるなど、その品質は世界的に認められており、冷やした時のキレの良さと、燗をつけた時のふくよかな旨味の両方を楽しめる格調高い日本酒です。
天琴
てんきん「天琴(てんきん)」は、文政12年(1829年)創業の外池荘五郎商店を代表する銘柄です。約200年の歴史を持つ老舗蔵元が、伝統的な技術を守り抜きながら現代に伝える至高の一本です。 銘柄名の「天琴」は、文字通り「天上の琴の音」を意味し、その音色のように美しく澄み渡り、聴く人の心を癒すような調和のとれた酒質を目指しています。栃木の良質な水と米を用い、近江商人のルーツを持つ蔵元ならではの誠実な造りが、雑味のなさと上品な香りを生み出しています。 淡麗でキレのある飲み口は、どんな料理の味も引き立てる名脇役。歴史の重みを感じさせつつも、日常の食卓に優しく寄り添う、まさに「天上の恵み」と言える銘柄です。
東錦
あずまにしき「東錦(あずまにしき)」は、文政12年(1829年)創業の外池荘五郎商店が醸す、歴史ある銘柄です。銘柄名の「東錦」には、東国(関東)の錦のように美しく、人々に愛される価値ある酒でありたいという蔵元の想いが込められています。 近江商人の流れを汲む老舗蔵として、約200年に渡り宇都宮の地で頑なに守り続けてきた伝統の味がここにあります。「三方よし」の精神に基づき、良質な地元の米と水を用い、てらいのない誠実な酒造りを追求しています。 東錦の最大の特徴は、飽きのこない淡麗な味わいと、ふわりと広がるさわやかな香りです。江戸時代から続く技術が生み出すその酒質は、料理の味を邪魔せず、むしろ互いを高め合うバランスの良さを誇ります。栃木の地で育まれた、歴史の深みと清々しさを併せ持つ名酒です。
日光誉
にっこうほまれ「日光誉(にっこうほまれ)」は、天保13年(1842年)創業の渡邊佐平商店を代表する看板銘柄です。世界遺産・日光の地で、180年以上の歴史が育んだ伝統と自然の恵みがこの一本に凝縮されています。 日光連山からの清冽な伏流水を仕込み水に用い、地元日光市産の酒米「五百万石」を中心に栃木県産米を使用。渡邊佐平商店の真骨頂である「純米酒へのこだわり」により、米と水、そして米麹のみで醸される日光誉は、雑味のない非常にクリアな飲み口が特徴です。 五百万石由来のすっきりとしたキレの良さと、日光の風土を感じさせる穏やかな香りが調和し、日光土産としても不動の人気を誇ります。冷やしてその清涼感を楽しむのはもちろん、ぬる燗で米の旨味を膨らませて味わうのも一興。日光の郷土料理、特に湯波(ゆば)料理との相性は抜群で、まさに日光を味わい尽くすための日本酒です。
酔神の鳴龍
なきりゅう「酔神の鳴龍(なきりゅう)」は、日光東照宮の本地堂(薬師堂)にある天井画「鳴龍」にちなんで命名された、日光の歴史と文化を象徴する日本酒です。 鳴龍は、特定の場所で拍子木を打つと龍が鳴いているような残響音が響くことで知られ、その神秘的な音色は多くの参拝者を魅了してきました。この銘柄は、そんな日光の伝説と、酒の神(酔神)を組み合わせた趣深いネーミングとなっています。 日光連山の伏流水と厳選された米を用い、渡邊佐平商店が得意とする純米醸造で丁寧に仕込まれています。お酒を注ぐ時の音、そして口に含んだ時に広がる清らかな旨味が、まさに「鳴龍」の如く心地よく響き渡るような、洗練された酒質を目指しています。日光を訪れた旅の記憶を呼び覚ますような、物語性に満ちた一献です。
清開
せいかい「清開(せいかい)」は、渡邊佐平商店の創業期からその歴史を共に刻んできた伝統の銘柄です。日光の清らかな水と、新しい時代を切り拓くという願いを込めたその名は、蔵元の酒造りに対する誠実な姿勢を象徴しています。 この銘柄の真骨頂は、素材の良さをストレートに活かした、華美すぎない純朴な旨味にあります。渡邊佐平商店が誇る純米率の高さ(約90%)を裏付けるように、醸造アルコールを一切使わない伝統的製法により、米本来の柔らかな膨らみと、日光の冬が育んだキレの良さが同居しています。 「自然醸」を冠する製品も多く、派手さはないものの、毎日の食事をより美味しく、より豊かに彩ってくれる万能な食中酒として長く愛されています。日光の地で180年以上続く、変わらぬ信頼の味わいです。
柏盛
かしわざかり「柏盛(かしわざかり)」は、明治13年(1880年)創業の片山酒造を代表する歴史ある銘柄です。醸造責任者である杜氏が代々受け継いできた新潟の技と、日光の清冽な名水「千両水」が融合して生まれるこの酒は、まさに「日光の至宝」と言える味わいを持ちます。 柏盛の最大の特徴は「原酒(げんしゅ)」への強いこだわりです。通常の日本酒は加水によりアルコール度数を調整しますが、柏盛の原酒は一切の加水をせず、醪(もろみ)を搾ったそのままの状態で瓶詰めされます。これにより、アルコール度数は18〜20度と高く、米本来の力強い旨味と濃厚な極上のコクをダイレクトに楽しむことができます。 伝統的な「槽(ふね)」でゆっくりと時間をかけて搾ることで、原酒でありながら雑味がなく、喉越しは驚くほど滑らか。全国の日本酒ファンから「一度飲んだら忘れられない」と評される、片山酒造の魂がこもった看板銘柄です。
日光路
にっこうじ「日光路(にっこうじ)」は、その名の通り、世界遺産日光へと続く歴史ある街道や参拝の道をイメージして名付けられた情緒あふれる銘柄です。 日光連山の雪解け水を源とする清冽な伏流水「千両水」を仕込み水に使用し、栃木県産米などの厳選された原料で醸されます。特に純米吟醸や純米酒は、穏やかで上品な吟醸香と、米の旨味が軽やかに広がる洗練された味わいが特徴。片山酒造が得意とする「加水をしない力強さ(原酒)」の要素を残しつつ、食事との高い親和性を追求した設計になっています。 日光の四季折々の風景や、歴史ある街道を旅した時の心地よい疲れを癒してくれるような、優しくも筋の通った酒質は、贈り物や旅の思い出を語る際の一献に相応しい逸品です。
ALL BLACKS
オールブラックス「ALL BLACKS(オールブラックス)」は、世界最強のラグビーニュージーランド代表軍団から公認を受けた、片山酒造が誇る革新的な純米大吟醸です。 元ラガーマンである6代目当主が、ラグビーへの情熱と日光の歴史を融合させて誕生させました。日光東照宮には古くから主馬が奉納される伝統があり、その馬には歴代ニュージーランド島産の白馬が選ばれてきたという、日光とニュージーランドの不思議な縁がこのプロジェクトを後押ししました。 厳選された兵庫県産山田錦を35%〜50%まで磨き上げ、日光の銘水「千両水」で醸した最高峰の品質。その味わいは、オールブラックスのプレーさながらに、力強くダイナミックでありながら、最高級の洗練されたエレガンスを兼ね備えています。スタイリッシュな黒のボトルに身を包んだ、ラグビーファンならずとも心揺さぶられる、唯一無二のプレミアム日本酒です。
惣譽
そうほまれ「惣譽(そうほまれ)」は、明治5年(1872年)の創業以来続く、栃木県を代表する看板銘柄です。銘柄名には「すべての人に誉れ高い酒でありたい」という蔵元の高潔な願いが込められています。 惣譽の最大の特徴は、2001年に復活させた伝統の「生酛(きもと)造り」にあります。「生酛ルネサンス」と銘打ち、手間暇を惜しまず天然の乳酸菌を育てる製法を追求。重層的な旨味とキレの良い酸が調和した、芯の通ったエレガントな味わいを実現しています。 最高級の山田錦や地元産五百万石を使用し、その品質は国内外で高く評価されています。冷やしてその洗練された表情を楽しむのはもちろん、燗にすることで生酛由来の奥深い旨味と酸がさらに花開き、料理の味を究極に引き立てます。歴史の風格と現代的な感性が融合した、まさに日本酒の正道を行く銘柄です。