ポンシュ

Ponsh

栃木県の日本酒銘柄一覧

帰一

きいつ
惣誉酒造 - 栃木県 芳賀郡

「帰一(きいつ)」は、惣誉酒造が「生酛(きもと)ルネサンス」の極致として世に送り出した珠玉の純米大吟醸です。銘柄名の「帰一」は、「万物があるべき一つの姿に帰結する」という哲学的な意味を持ち、酒造りにおける全てのこだわりがこの一本に集約されていることを表しています。 特A地区産の山田錦を極限まで磨き、手間を惜しまない生酛造りで醸されたその酒質は、圧倒的な透明感の中に、生酛由来の深遠な旨味と上質な酸が静かに息づいています。 それは、従来の生酛酒のイメージを覆すほどエレガントで、時を忘れて向き合いたくなるような瞑想的な深みを持っています。一口含めば、蔵元が150年以上の歴史の中で辿り着いた「理想の日本酒」の姿が、鮮やかに心に響くことでしょう。惣誉の技術と理念の結晶と言える、究極の銘柄です。

島﨑雲圃

しまざきうんぽ
島崎泉治商店 廃業 - 栃木県 芳賀郡

「島﨑雲圃(しまざきうんぽ)」は、2014年に廃業した島崎泉治商店が醸していた特別な銘柄で、江戸時代に活躍した三代目当主・栄屋利兵衛の絵師名にちなんで名付けられました。 島崎雲圃は水墨画家として高名で、その芸術的な感性は蔵の酒造りにも深く反映されていました。この銘柄のラベルには、雲圃が描いた「鮎図」などの作品が使用されており、栃木県の有形文化財にも指定されるほどの高い芸術的価値を備えています。 酒質は、伝統的な製法に基づいた特別純米酒で、米の旨味と穏やかな香りが特徴でした。日本酒と芸術を融合させた文化的意義を持つ一本として愛されてきました。

栄屋利兵衛

さかえやりへえ
島崎泉治商店 廃業 - 栃木県 芳賀郡

「栄屋利兵衛(さかえやりへえ)」は、島崎泉治商店が創業300周年を記念して世に送り出した記念碑的な銘柄です。「栄屋」は蔵の屋号、「利兵衛」は代々の当主が受け継いできた神聖な名前であり、蔵の歴史と伝統への深い敬意が込められています。 この銘柄は、300年という長い歳月の中で磨き上げられてきた技術の粋を集めた特別純米酒でした。米本来の豊かな風味を引き出し、力強くも調和のとれた味わいは、まさに「本家」としての意地と誇りを体現していました。 2014年の廃業により現在は幻の酒となりましたが、茂木町の酒造り300年の歴史を象徴する名前として、今もなお地元の愛飲家たちの記憶に深く刻まれています。

棚田の雫

たなだのしずく
島崎泉治商店 廃業 - 栃木県 芳賀郡

「棚田の雫(たなだのしずく)」は、島崎泉治商店が地元・茂木町の美しい風景を守るために、棚田で栽培された五百万石のみを使用して醸した純米吟醸酒です。 茂木町特有の標高差のある棚田で、厳しい自然条件のもと丹精込めて育てられた米を一滴一滴の雫へと昇華させたその酒質は、清らかな水と澄んだ空気を感じさせる透明感あふれる味わいでした。 地域の農業支援と地酒造りを結びつけた先駆的な取り組みであり、郷土を愛する蔵元の想いが詰まったこの銘柄は、地産地消の理想的な形として高く評価されました。廃業により現在は姿を消しましたが、茂木町の豊かな自然から生まれた真の地酒として語り継がれています。

泉月花

せんげつか
島崎泉治商店 廃業 - 栃木県 芳賀郡

「泉月花(せんげつか)」は、300年以上の歴史を誇った島崎泉治商店を象徴する看板銘柄です。「泉」は清冽な水が湧く蔵の名前を表し、「月花」は日本の伝統的な美意識である「雪月花」にも通じる風雅な趣を表現しています。 2004年に全国新酒鑑評会で金賞を受賞した経歴を持ち、その品質の高さは折り紙付きでした。濃醇で力強い旨味がありながら、決して重すぎず、後味に清涼感を感じさせる見事なバランスは、熟練の蔵人たちの技の結晶でした。 栃木の郷土料理の力強さに負けない風味を持ち、地元の宴席には欠かせない存在として長く愛され続けました。2014年の廃業と共に市場からは姿を消しましたが、茂木町の誇り高い銘酒として今も語り継がれています。

望bo:

ぼう EC
外池酒造店 - 栃木県 芳賀郡
望bo:

望bo:は、昭和12年(1937年)創業の外池酒造店が2012年に立ち上げた第2ブランドで、「未来の日本酒への挑戦」をコンセプトとした革新的な銘柄です。銘柄名の「望」は、未来への希望と期待を表し、コロン記号「:」を加えた独特の表記「望bo:」は、伝統と革新の融合を視覚的に表現しています。 望bo:は流通限定ブランドとして、蔵元での販売は行わず、限られた酒販店のみで販売される特別な位置づけです。このブランドでは、宮城県産の「美山錦」や「雄町」、北海道産の「彗星」、新潟県産の「五百万石」など、様々な米品種を使い分けた特別純米酒や純米大吟醸を展開し、それぞれの米の個性を最大限に引き出す酒造りを実践しています。 外池酒造店は益子焼で有名な益子町に位置し、陶芸の町という文化的背景を持つ地域で酒造りを行っています。日光連山に源を持つ鬼怒川の口当たりの柔らかい軟水の伏流水を仕込み水とし、厳選を重ねた原料米を用いて、杜氏の伝統と技術を駆使した酒造りを実践しています。 「手造り全力醸造」を念頭に、香りの良さだけではない食事に合う美味しい酒を目指す外池酒造店の理念が、望bo:にも反映されています。第1ブランドの「燦爛」が伝統を重視するのに対し、望bo:は実験的で挑戦的な酒造りを行い、新しい日本酒の可能性を探求しています。 季節限定品や少量生産品も多く、酒米の違いによる味わいの変化を楽しむことができるのも望bo:の魅力です。益子という陶芸の町の文化的な雰囲気と、革新的な酒造りへの挑戦が融合した、外池酒造店の新しい時代を象徴する銘柄です。

燦爛

さんらん EC
外池酒造店 - 栃木県 芳賀郡

「燦爛(さんらん)」は、昭和12年(1937年)の創業以来守り続けてきた外池酒造店の伝統的なメインブランドです。銘柄名には「光り輝くように、華やかで美しい酒でありたい」という蔵元の願いが込められています。 日光連山の雪解け水を源とする清冽な地下水と、厳選された酒造好適米を用い、伝統的な南部杜氏の技を継承しながら丁寧に醸されています。その味わいは、まさに「王道の地酒」と呼ぶにふさわしく、穏やかな香りとふっくらとした米の旨味が広がり、最後はきれいに消えていくキレの良さが特徴です。 全国新酒鑑評会での金賞受賞常連であることはもちろん、近年では海外のコンクールでも高い評価を受けており、地元の益子町から日本、そして世界を燦然と照らす銘酒として不動の地位を築いています。

桜川

さくらがわ EC
辻善兵衛商店 - 栃木県 真岡市

「桜川(さくらがわ)」は、宝暦4年(1754年)に近江商人の辻善兵衛が真岡の水に魅せられて創業した辻善兵衛商店の、創業当初から受け継がれる伝統的なメインブランドです。銘柄名は真岡市を流れる「桜川」にちなんで名付けられ、270年以上にわたり地元の誇りとして愛され続けてきました。 鬼怒川水系の良質な伏流水と地元産米を用い、熟練の南部杜氏から継承した伝統的な手法で丁寧に醸されています。その最大の特徴は、食卓に寄り添う「安定の味わい」にあります。派手さを抑えた穏やかな香りと、米の柔らかな旨味が調和した飲み飽きしない酒質は、日常の食事を最高に引き立ててくれる名脇役です。 伝統を守りつつも、16代目杜氏・辻寛之氏による緻密な品質改善が加えられており、全国新酒鑑評会での10回連続金賞受賞という快挙に裏打ちされた、確かな品質がこの一本に凝縮されています。270年の歴史が息づく、真岡の地酒の原点とも言える伝説の銘酒です。

辻善兵衛

つじぜんべえ EC
辻善兵衛商店 - 栃木県 真岡市

「辻善兵衛(つじぜんべえ)」は、16代目蔵元杜氏・辻寛之氏が「これからの時代の純米酒」を追求するために立ち上げた、全量純米酒のプレミアムブランドです。宝暦4年(1754年)に真岡の地で酒造りを始めた創業者の名前をブランドに冠することで、270年の伝統への深い敬意と、新しい時代を切り拓く不退転の決意を表現しています。 伝統的な看板銘柄「桜川」が食中酒としての安定を追求するのに対し、「辻善兵衛」は米本来の力強い旨味と、深みのある芳醇な味わいを最大限に引き出すことをコンセプトとしています。特に、栃木県産米や厳選された酒米を用いた純米吟醸は、その研ぎ澄まされた透明感と豊かな膨らみが共存する逸品として、全国の地酒ファンから熱狂的な支持を得ています。 全国新酒鑑評会で10回連続金賞という驚異的な記録を持つ辻杜氏の技術の粋が、この全量純米のラインナップに注ぎ込まれています。近江商人のルーツから続く誠実な造りと、現代的な感性が融合した、辻善兵衛商店の「現在」と「未来」を象徴する革新的な銘柄です。

辻寛之

つじひろゆき
辻善兵衛商店 - 栃木県 真岡市

「辻寛之(つじひろゆき)」は、16代目蔵元杜氏である辻寛之氏自らの名を冠した、蔵の技術と哲学の到達点を示すフラッグシップ銘柄です。醸造責任者が自分の名前を下ろすことは、その品質に対する絶対的な自信と、飲み手に対する一切の妥協を許さない責任の表明でもあります。 辻杜氏は、全国新酒鑑評会で「10回連続金賞受賞」という、全国でもわずか7蔵しか成し得ていない驚異的な快挙を達成した現代屈指の名工です。「単に金賞を目指すのではなく、金賞受賞酒の中でもトップグループに入る酒を造る」という高い志。その緻密な計算と、270年続く伝統の勘が融合し、この「辻寛之」という一本に結実しています。 真岡の豊かな風土が育む米と、鬼怒川水系の清冽な水の力を、杜氏の卓越した技で究極まで磨き上げたその酒質は、圧倒的な気品と深みを湛えています。辻善兵衛商店の現在地を世界に示し、未来へと繋ぐ、まさに魂の一滴です。

辻風

つじかぜ
辻善兵衛商店 - 栃木県 真岡市

「辻風(つじかぜ)」は、辻善兵衛商店が栃木県産の最新酒米「夢ささら」の魅力を世界に伝えるために醸す、爽快感溢れる純米吟醸ブランドです。「辻」の姓に、真岡の穀倉地帯を吹き抜ける爽やかな「風」を組み合わせたその名は、従来の重厚なイメージとは一線を画す、軽快で洗練された飲み口を象徴しています。 栃木県が長い歳月をかけて開発した「夢ささら」は、奥深い旨味とキレの良さが特徴。「辻風」はこの米のポテンシャルを最大限に引き出し、鬼怒川水系の清冽な伏流水の清らかさと調和させることで、まるで頬を撫でる風のように心地よく、飲み飽きしない酒質を実現しました。 270年の伝統技術を誇る16代目杜氏・辻寛之氏が、地元の新素材に挑んだ意欲作。伝統の重みを大切にしながらも、より現代的で自由な楽しみ方を提案する、栃木の新しい地酒の風を感じさせる一献です。

世は満続

よはまんぞく
辻善兵衛商店 - 栃木県 真岡市

「世は満続(よはまんぞく)」は、辻善兵衛商店の卓越した調合技術が生み出した、唯一無二のブレンド酒ブランドです。銘柄名は「世の中のすべてが満ち足りた幸せな状態であること」を願う「世は満足」という言葉に由来。「満足」の「足」に代えて「続」の字を当てることで、その満ち足りた幸せが末永く続いてほしいという蔵元の祈りが込められています。 複数の原酒を巧みにブレンドすることで、単一の仕込みでは到達できない、重層的で奥行きのある味わいを実現しました。10回連続金賞受賞という快挙を成し遂げた16代目杜氏・辻寛之氏の「味を組み立てる」類まれなセンスが、この一本に見事に結集されています。 真岡の豊かな地で育まれた米と水の恵みを、伝統の技で調和させたこの酒は、バランスに優れ、飲む人を温かい幸福感で包み込みます。その縁起の良い名から、祝いの席やお世話になった方への贈答品としても広く愛される、慈しみ深い名酒です。

杉並木

すぎなみき
飯沼銘醸 - 栃木県 栃木市

「杉並木(すぎなみき)」は、文化8年(1811年)創業の飯沼銘醸を象徴する、歴史と品格を兼ね備えた代名詞的銘柄です。その名は、蔵が位置する西方地域から日光へと続く世界最長の並木道「日光杉並木」に由来。地域の壮大な歴史と豊かな自然への深い敬意が込められています。 仕込み水には日光連山の男体山を水源とする大谷川の清冽な伏流水を使用。地元産の「山田錦」や「夢ささら」といった良質な酒米を全量自社で精米し、新潟由来の伝統的な寒造りの技法で醸し上げます。 その味わいは、優しく穏やかな香りと、米の旨味がふわりと広がるふくらみのある香味、そしてスッキリとしたキレの良い辛口が特徴です。新潟杜氏の「淡麗」な技術と栃木の「旨口」な風土が融合したその酒質は、どんな料理にも寄り添い、杯を重ねても飲み飽きることがありません。地域の歩みとともに愛され続ける、栃木の顔とも言える銘酒です。

SG

エスジー
飯沼銘醸 - 栃木県 栃木市

「SG」は、飯沼銘醸が高いコストパフォーマンスを追求して生み出した、知る人ぞ知る純米規格の無濾過生原酒ブランドです。その名は「Sugata(姿)」の頭文字に由来。通常は高級酒に使用される「山田錦」や「五百万石」などの等外米(粒の大きさなどにより規格外となった高品質な米)を贅沢に使用することで、驚異的な価格と圧倒的な満足度を両立させています。 その味わいは、一言で言えば「極めて濃厚」。フレッシュな酸味と米本来のふくよかな甘みが非常に高い次元で融合しており、輪郭のはっきりとした力強い旨味が口いっぱいに広がります。バナナを思わせるフルーティーなニュアンスも感じられ、その濃密なコクは等外米とは思えないほどの完成度を誇ります。 少量限定生産ながら、伝統的な「箱麹」による丁寧な麹造りを経て醸される「SG」は、日常の晩酌を特別な時間に変えてくれる、日本酒ファンの熱い支持を集める一献です。

姿

すがた EC
飯沼銘醸 - 栃木県 栃木市
姿

「姿(すがた)」は、飯沼銘醸が「生まれたままの酒の姿」を届けることを追求して誕生させた、現代の地酒シーンを牽引する熱狂的ブランドです。銘柄名は、地元・西方町に伝わる八百比丘尼伝説ゆかりの「姿見の池」に由来。同時に「絞りたて、無濾過、生原酒」という、一切の加工を排除した純粋無垢な酒の有様を象徴しています。 その最大の特徴は、手間を惜しまない「全量箱麹仕込み」が生み出す、圧倒的な果実味と透明感の両立です。口に含んだ瞬間に広がるリンゴや桃のような瑞々しく華やかな香りと、芳醇な甘み。それらを鮮やかに引き締める洗練された酸味と、潔いほどのキレの良さが、完璧な調和を奏でます。 季節ごとに異なる酒米を使い分け、その米の個性を「生」のまま表現する「姿」シリーズは、その一滴一滴に飯沼銘醸の技術と情熱が凝縮されています。少量生産が生む希少性と、一度飲んだら忘れられない鮮烈な個性により、全国の日本酒ファンを虜にし続けている、栃木が誇るモダン・クラシックの傑作です。

壬生

みぶ
飯沼銘醸 - 栃木県 栃木市

「壬生(みぶ)」は、飯沼銘醸が地元・壬生町の農業生産者と手を取り合い、地域のテロワールを最大限に表現するために醸した地域限定ブランドです。その最大の特徴は、壬生町の豊かな大地で丹精込めて育てられた高品質な「山田錦」のみを原料に使用している点にあります。 町内の農家との密接な連携により、田植えから収穫までを見守り、最良の状態の米を確保。飯沼銘醸の熟練の技でそのポテンシャルを余すところなく引き出し、気高くも親しみやすい味わいに仕上げています。 その酒質は、華やかで品のある香りと、壬生の米ならではの繊細で奥深い旨味が調和した、まさに「故郷の誇り」を感じさせる逸品です。地域の農業と醸造文化の共生を象徴するこの銘柄は、地元の方々のみならず、栃木の風土を愛する多くの日本酒ファンから支持されています。

善十郎

ぜんじゅうろう
若駒酒造 - 栃木県 小山市

「善十郎(ぜんじゅうろう)」は、万延元年(1860年)創業の若駒酒造が、蔵の長い歴史と伝統を重んじて醸す銘柄です。看板ブランド「若駒」が現代的なフレッシュさを象徴するのに対し、「善十郎」は米の力をしっかりと引き出した、純米酒らしい芯の太い旨味と落ち着きのある味わいを追求しています。 小山市最古の酒蔵として受け継がれてきた技術を用い、無濾過、原酒、低精白といった若駒独自のこだわりはそのままに、より食中酒としての完成度を高めています。芳醇な米の香りと、幾重にも重なる濃密な旨味、そしてそれらをバランスよく包み込む穏やかな酸が特徴です。 歴史的な木桶仕込みによる、円熟味のある複雑なニュアンスも感じられ、飲むほどに心に染み渡るような安心感を与えてくれます。蔵の原点ともいえるこの銘柄は、時代が移ろっても変わることのない誠実な酒造りの姿勢を、その一滴に宿しています。

羽衣伝説

はごろもでんせつ
若駒酒造 - 栃木県 小山市

「羽衣伝説(はごろもでんせつ)」は、若駒酒造が醸す銘柄の中でも、その名の通り天女の羽衣のように優美で、透明感あふれる美酒を追求したシリーズです。日本の古典的な物語を冠したこの銘柄は、蔵の歴史的な重みと、現代的な美的感性が美しく融合した一本となっています。 小山市最古の酒蔵である若駒酒造が、清廉な地下水と厳選された酒米を用いて丁寧に醸し上げました。その最大の特徴は、シルクのように滑らかな口当たりと、奥ゆかしくも華やかな香りの重なりです。無濾過、原酒ならではのフレッシュさを保ちながら、雑味を削ぎ落とした純粋な味わいが、伝説の物語のような神秘的な余韻を残します。 歴史的な木桶仕込みによる繊細なニュアンスも加わり、飲むたびに新しい表情を見せてくれる奥深さがあります。凛とした気品と、心躍るようなジューシーさを兼ね備えた「羽衣伝説」は、日常を特別なひとときに変えてくれる、蔵の情熱が結実した逸品です。

若駒

わかこま EC
若駒酒造 - 栃木県 小山市
若駒

「若駒(わかこま)」は、万延元年(1860年)創業の老舗蔵元が、伝統の枠を超えて日本酒の新たな地平を切り拓くべく立ち上げたフラッグシップブランドです。蔵の原点である「若き駒(馬)」が力強く跳ね回る。そんな躍動感と生命力に満ちた酒を目指し、6代目の柏瀬幸裕氏の手によって誕生しました。 その最大の特徴は、一度口にすれば虜になる「圧倒的なジューシーさ」と「クリスタルのような透明感」の両立です。無濾過、原酒、そして低精白(80%精米など)にこだわり、米の持つ潜在的な旨味を丁寧に引き出しながら、洗練された酸が後味を鮮やかに締めくくります。 また、復活させた「木桶仕込み」による奥深い醸造美と、最新の感性が融合。伝統的な「無加圧採り」で搾られた一滴一滴には、若き造り手の情熱と栃木の豊かな風土が凝縮されています。現代の酒シーンに鮮烈な印象を刻み続ける「若駒」は、日本酒の未来を照らす、まさに新時代の名駒と言える傑作です。

万延

まんえん
若駒酒造 - 栃木県 小山市

「万延(まんえん)」は、若駒酒造の創業年である万延元年(1860年)をその名に冠した、蔵の歴史と誇りを象徴する銘柄です。幕末から明治へと続く激動の時代に産声を上げた蔵の原点を今に伝える、格式高い一本として位置づけられています。 江戸時代末期の元号を掲げるこの銘柄は、代々受け継がれてきた伝統的な製法と、地域に根ざした地酒としての誠実な姿勢を体現しています。かつての木桶仕込みを彷彿とさせる、米の力強さと落ち着いた旨味が溶け込み、時を経ても色褪せない深い味わいが特徴です。 時代の荒波を越えて守り抜かれた「万延」という名は、単なる歴史の記号ではなく、常に最高の一滴を追求し続ける蔵の不変の意志そのものです。歴史の重みを感じさせる威厳と、食事に寄り添う懐の深さを兼ね備えた、若駒酒造の真髄を語る上で欠かせない伝統の銘柄です。