大阪府の日本酒銘柄一覧
呉春
ごしゅん「呉春(ごしゅん)」は、大阪・池田の豊かな醸造文化を象徴する、歴史と品格を兼ね備えた銘柄です。 江戸時代に北摂の名醸地として名を馳せた「池田酒」の系譜を受け継ぎ、古くから多くの文化人や愛好家に親しまれてきました。 追求するのは、五味のバランスが取れた「甘からず、辛からず」という究極の食中酒。一口飲めば広がるまろやかな旨味と、スッと消えるような清涼感のある後味が美食を引き立てます。 その実直な酒造りは、通年販売の銘柄を「池田酒(普通酒)」「本丸(本醸造)」「特吟(特別吟醸)」の3種類に絞り込むという、徹底した品質へのこだわりにも表れています。 日常を彩る一杯として、また特別な日の祝い酒として、丹精込めて醸された一滴一滴に、池田の歴史と蔵人の情熱が息づいています。
緑一
みどりいち「緑一(みどりいち)」は、大阪・池田の酒造りの誇りと理想を象徴するブランドです。 「緑」は澄み切った清酒の色を、「一」は池田が清酒発祥の地であることを示し、その名には「清酒の本質を極める」という強い意思が込められています。 猪名川(いながわ)水系の清らかな水と、厳選された酒米で醸されるその味わいは、澄んだ旨味とすっきりとしたキレの良さが共存しているのが特徴です。 かつて阪神・淡路大震災で蔵が全壊するという試練を乗り越え、現在は兵庫県加西市で醸されていますが、その魂は常に池田と共にあります。 代表的な「原酒」は力強く濃醇な味わい、また池田の「織姫伝説」にちなんだ「呉服(くれは)」や「綾羽(あやは)」といった銘柄は、地域の歴史を彩る華やかな一杯として、多くのファンに愛され続けています。
秋鹿
あきしか「秋鹿(あきしか)」は、大阪・能勢の豊かな自然の中で「米作りから酒造りまで」の一貫体制を貫く、日本を代表する純米蔵の一つです。 蔵元自ら耕す田んぼで農薬や化学肥料を使わずに育てた山田錦や雄町を用い、能勢の清らかな伏流水で醸されるその酒は、まさに「風土の結晶」と言えます。 口に含んだ瞬間に広がる米の力強い旨味と、それを引き締めるシャープな酸味のバランスが絶妙で、熟成にも耐えうる骨太な酒質が特徴です。 冷酒から常温、そして力強さが開花する熱燗まで、温度帯によって多彩な表情を見せ、濃厚な料理とも見事に調和します。 「本当の地酒とは、その土地の米と水から生まれるもの」という信念が込められた秋鹿の一滴は、飲み手に大地の息吹を感じさせてくれます。
艶正宗
つやまさむね艶正宗は茨木市の中尾酒造が醸す代表銘柄の一つで、400年以上の歴史を持つ茨木の酒造りの伝統を受け継いでいます。 中尾酒造は茨木市で復活させた伝統的酒米「三島雄町」をはじめとする地元の酒米を使用し、地域に根ざした酒造りを実践しています。
凡愚
ぼんぐ凡愚は茨木市の中尾酒造が醸す銘柄の一つで、400年以上の茨木の酒造りの伝統を今に伝えています。 蔵元は地域に根ざした酒造りを重視し、茨木市で復活させた伝統的酒米「三島雄町」などを使用しています。
龍泉
りゅうせん「龍泉(りゅうせん)」は、茨木・中尾酒造の蔵の近くにそびえる「竜王山」周辺で栽培された「三島五百万石」を100%使用した、土地の個性が光る銘柄です。 かつて「三島の里」として名を馳せたこの地域の恵みを最大限に引き出すため、地元の水と米に徹底してこだわり、一滴一滴に茨木の豊かな自然が刻み込まれています。 五百万石ならではのすっきりとした透明感のある酒質の中に、竜王山の清らかな空気を感じさせるような、凛とした気品とキレの良さが同居しています。 冷やからお燗まで幅広く対応し、料理の味を引き立てる名脇役としても、多くの地酒ファンに長年愛されてきた茨木を代表する逸品です。
見山
みやま「見山(みやま)」は、茨木・中尾酒造が地元の農家と共に復活させた「三島雄町(みしまおまち)」を100%使用した、地域愛の結晶と言える銘柄です。 三島地域は江戸時代、一帯が「三島の里」と呼ばれる日本屈指の酒米産地でしたが、雄町は背が高く倒れやすいため、昭和初期に姿を消してしまいました。 その幻の米を復活させ、醸されるこの酒は、毎年4月にのみリリースされる特別な逸品。雄町特有の穏やかで上品な香りと、とろけるようななめらかな口当たりが特徴です。 口に含めば、米の豊かな旨味とほのかな甘みが広がり、土地の生命力を感じさせてくれます。茨木の歴史と情熱が宿る、穏やかな時間と共に楽しみたい銘柄です。
寿盃
じゅはい「寿盃(じゅはい)」は、かつて大阪・茨木で愛された、地域の歴史を今に伝える幻の銘柄です。 茨木市の高島酒造によって醸されていたこの酒は、江戸時代から日本屈指の酒米産地として知られた三島地域の「三島雄町(みしまおまち)」を原料に用いていました。 大粒で豊かな旨味を持つ三島雄町と、土地の清らかな水から生まれる「寿盃」は、地元の人々の暮らしや祝いの席に欠かせない存在でした。 蔵元は惜しまれつつも廃業しましたが、その名は今でも茨木の酒造りの伝統を語る上で欠かせない記憶として刻まれています。
國乃長
くにのちょう「國乃長(くにのちょう)」は、日本最古の銘醸地の一つ、摂津富田で200年以上にわたり愛されてきた歴史ある銘柄です。 かつて「富田の酒」が江戸への「下り酒」として一世を風靡した伝統を現代に受け継ぎながら、その味わいは常に洗練を重ね続けています。 米の丸みのある柔らかな旨味を大切にしながらも、すっきりとしたキレの良さと、飲んだ後も心地よく漂う吟醸香が、卓越したバランスを構築しています。 また、蔵元の遊び心が光るキュートな「カエルラベル」シリーズは、伝統的な手法で醸された確かな品質と親しみやすさが両立し、若い世代からも厚い支持を得ています。 食卓に彩りを添える一滴として、富田の誇り高い歴史を今に伝える、大阪を代表する銘酒です。
清鶴
きよつる「清鶴(きよつる)」は、大阪・富田の歴史を背負う、格調高さと清らかな味わいを兼ね備えた銘柄です。 かつて「香味勝て宜し(こうみまさりてよろし)」と謳われ、江戸に送られる「下り酒」として絶大な人気を博した富田酒の系譜を今に伝えています。 職人が一袋ずつ手作業で搾る「袋搾り」など、手間を惜しまない伝統製法によって生み出されるその酒は、雑味のない澄み渡るような飲み口が特徴です。 それでいて、喉を通る瞬間に感じる米のふくよかな余韻は、熟練の技術が成せる業。日常を豊かにする「本醸造」から、特別な瞬間に寄り添う「大吟醸」まで、一貫して「清く、正しい」酒造りを体現しています。 富田の地酒として、飲む人の心に一筋の清風を吹き込むような、気高くも誠実な一滴です。
むくね
むくね「むくね(MUKUNE)」は、大門酒造が世界市場を見据えて放つ、純粋無垢な味わいを追求したブランドです。 蔵の象徴である食事処「無垢根亭」の名を冠し、「一切の混じりけのない根源的な美しさ」を日本酒で表現することを目指しています。 生駒山麓の清らかな水と、丁寧に磨かれた米から生まれるその酒は、リッチで深みのある旨味と、シルクのように滑らかな口当たりが特徴です。 伝統的な「濃厚辛口」のDNAを引き継ぎながらも、現代の多種多様な食文化に寄り添うフレキシブルな個性を備えており、海外のトップシェフからも高い支持を得ています。 大門酒造の革新精神を象徴する、まさに「ネクスト・スタンダード」を担う銘柄です。
山嵐 山風
やまあらし やまかぜ「山嵐(やまあらし)」と「山風(やまかぜ)」は、交野産の米を100%使用し、地域の風土を力強く表現した大門酒造の「山シリーズ」を代表する純米大吟醸原酒です。 同じスペックの原酒でありながら、火入れ(加熱処理)を施した「山嵐」は、落ち着いた深い旨味とキレを、一方で生酒である「山風」は、搾りたてのフレッシュな躍動感と華やかな香りを堪能できます。 どちらもアルコール度数19度という原酒ならではのパンチがあり、圧倒的な飲み応えとクリアな酸のバランスが秀逸です。 交野の大地が育んだ米のポテンシャルを極限まで引き出したこの兄弟銘柄は、その名の通り、飲み手の五感を力強く揺さぶるような生命力に溢れています。
大門 DAIMON
だいもん「大門(DAIMON)」は、交野の風土と世界的な感性を融合させた、大門酒造のビジョンを象徴するフラッグシップブランドです。 地域の豊かな水と米を使い、「濃厚辛口」という蔵の個性を極めたこの酒は、日本国内のみならず、世界各国のトップレストランで選ばれています。 力強い旨味の骨格の中に、洗練されたクリアな酸とキレが同居しており、肉料理やスパイスを使った料理など、従来の日本酒の枠を超えた幅広いマリアージュを楽しめるのが最大の魅力です。 伝統的な酒造りに「DAIMON」というグローバルな名を冠したこの一滴は、大阪の地酒が世界の美食シーンで輝くための、力強い架け橋となっています。
利休梅
りきゅうばい「利休梅(りきゅうばい)」は、大門酒造が長年守り続けてきた、気品溢れる香りと深みのある味わいが特徴の歴史あるブランドです。 茶聖・千利休が愛したとされる梅の花にちなみ、静謐な中にも凛とした生命力を感じさせる酒造りを追求しています。 生駒山麓の軟水が生み出す柔らかさと、厳選された酒米の旨味が調和したその味わいは、まさに「濃厚辛口」という蔵の個性を端正な姿で表現しています。 食中酒としての完成度が非常に高く、和食の繊細な出汁の味わいから、しっかりとした味付けの料理まで幅広く受け止める包容力を持っています。 流行に左右されない普遍的な美しさを湛えた、世代を超えて愛され続ける大阪・交野の誇りです。
片野桜
かたのさくら「片野桜(かたのさくら)」は、山野酒造を代表する、交野の自然とロマンを詰め込んだ格調高い銘柄です。 生駒山系から湧き出る清らかな水と、厳選された酒米が見事に調和し、口に含んだ瞬間に広がる豊潤な米の旨味と、すっと消えていく上品な後味が絶妙なバランスを保っています。 「旨口(うまくち)」と評されるその味わいは、ただ甘いだけでなく、素材の持つ奥行きと繊細さを引き出した南部杜氏の技の結晶。食卓に華を添え、料理の味を一層引き立てる存在として、多くの愛好家に支持されています。 春の訪れのような優しさと、土地の記憶を呼び起こすような深い味わいを持つ、大阪を代表する地酒の一つです。
彦星の山
ひこぼしのやま「彦星の山(ひこぼしのやま)」は、交野の地に伝わるロマンチックな「七夕伝説」へのオマージュとして誕生したブランドです。 夜空に輝く彦星(アルタイル)のような力強さと清廉さをイメージし、生駒山系の清冽な水と天野川(あまのがわ)の恵みを受けて醸されています。 キリリとした引き締まった酒質と、後味に感じる繊細な旨味が特徴。対になる「織姫の里」と共に、交野の文化と自然を日本酒という形ある物語へと昇華させた一品です。 大切な人との語らいの場や、星空を見上げる夜にこそふさわしい、情緒豊かな味わいをお楽しみいただけます。
織姫の里
おりひめのさと「織姫の里(おりひめのさと)」は、交野に根付く「七夕伝説」をテーマに、公募によって命名された地域愛溢れるブランドです。 交野産の高品質な食味米「ヒノヒカリ」をあえて原料米に使用し、生駒山系から天野川(あまのがわ)へ流れる清流の恵みと、地元の伝統的な醸造技術を融合させています。 優雅な織姫を思わせる、ふんわりとした柔らかな甘みと、米の素直な旨味が際立つ優しい飲み口が魅力。土地の風土と人々の想いが込められた味わいです。 天の川の文化的背景を日本酒で表現したこの銘柄は、まさに交野のコミュニティが生んだ、心温まる一滴と言えるでしょう。
寝屋の長者
ねやのちょうじゃ「寝屋の長者(ねやのちょうじゃ)」は、大阪・交野の地域の繁栄と、飲む人の健康や幸福を願って醸される、おめでたい名前の銘柄です。 地元の民話や地名に由来するその名は、古くからこの地を見守ってきた長者の寛大さと豊かさをイメージしています。 生駒山系と天野川(あまのがわ)がもたらす恵みの水を使い、伝統の醸造技法で丁寧に仕上げられたその味わいは、まさに長者の振る舞いのような、包容力のあるふくよかな旨味が特徴です。 地域振興の一翼を担い、地元の祭りやや祝いの席に欠かせない銘柄として、交野の明日を明るく照らす一滴です。
井真成
いのまなり「井真成(いのまなり)」は、悠久の歴史と地域の誇りを醸した、藤本雅一酒造醸が手掛ける特別な銘柄です。 名前の由来は、約1300年前、遣唐使として中国に渡り西安の地で没した日本人留学生「井真成」。彼の墓誌には「日本」という国号が記された最古の例が見つかり、その出自が藤井寺にあるとされています。 歴史のロマンを体現するこの酒は、芯の通った澄んだ味わいと、米本来の素朴な旨味が特徴。単なる日本酒の枠を超え、日本の国号の起源と、異国の地で志半ばに倒れた若き留学生への鎮魂と敬意が込められています。 藤井寺から世界へ、そして現代へと繋がる歴史の架け橋となる、唯一無二の一滴です。
玉瑞
たまみず「玉瑞(たまみず)」は、南河内で唯一残る藤本雅一酒造醸が長年受け継いできた、伝統の重みを感じさせる銘柄です。 葛井寺(ふじいでら)の門前で時を刻んできた蔵元が、丹精込めて醸すこの酒は、まさに「玉のような瑞々しさ」を追求した飲み口が魅力です。 米の豊かなふくらみと、喉を通る瞬間の心地よいキレが同居しており、地元の人々の団らんの席や、四季折々の催しに彩りを添えてきました。 南河内の酒造り文化の灯を守り続ける、誠実で温かみのある一滴です。