茨城県の日本酒銘柄一覧
府中誉
ふちゅうほまれ EC「府中誉(ふちゅうほまれ)」は、安政元年(1854年)創業の老舗蔵が醸す、地域の歴史と誇りを冠した銘柄です。「府中」とは常陸国府が置かれた石岡の古い呼び名です。 「関東の灘」と呼ばれた石岡の地で、代々受け継がれた伝統的な道具と製法を守り、石岡の名水「府中六井」系の良質な地下水で醸されています。 筑波山麓の自然の恵みと、蔵人の情熱が込められた、ふくよかで香り高い味わいが特徴です。
太平海
たいへいかい EC「太平海(たいへいかい)」は、府中誉が醸す、日本の四季に寄り添うことをテーマにした銘柄です。太平洋に面した茨城の海の恵みと、内陸の豊かな実りの両方を表現しています。 夏にはスパークリング、春にはおりがらみ、冬には無濾過など、季節ごとの味わいを大切にしたラインナップが揃っています。 旬の食材との相性を第一に考え、食中酒として飲み飽きしない、穏やかでキレのある酒質が魅力です。
渡舟
わたりぶね EC「渡舟(わたりぶね)」は、幻の酒米「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」を復活させて醸した、府中誉の代表的かつ革新的な銘柄です。「山田錦」の親系統にあたるこの米は、かつて栽培が途絶えていましたが、蔵元がわずかな種もみから復活させました。 この米ならではの、複層的で豊かな味わいと、果実のような華やかな香りが特徴です。 国内外で高い評価を受け、日本酒の歴史ロマンとテロワールを感じさせる唯一無二の逸品です。
さきがけ
さきがけ「さきがけ」は、府中誉が新しい日本酒の可能性に挑戦する姿勢を象徴した銘柄です。「先駆け」の名が示す通り、伝統を守りながらも常に時代の先端を行く酒造りを目指しています。 茨城の地酒としてのアイデンティティを大切にしつつ、現代の嗜好に合った洗練された味わいを追求しています。 爽やかで飲みやすく、新しい発見と驚きを与えてくれる、進取の気性に富んだ一本です。
白鹿
はくしか「白鹿(はくしか)」は、石岡酒造が醸していた代表銘柄です。白い鹿は古来より吉兆を表す神聖な動物として尊ばれ、縁起の良い銘柄名として親しまれてきました。 現在は廃業していますが、常陸国府が置かれた歴史ある石岡の地で、地域の食文化と共に歩んできた銘柄の一つとして記憶されています。
筑波
つくば「筑波(つくば)」は、石岡酒造が醸していた、茨城県のシンボル筑波山にちなんだ銘柄です。「西の富士、東の筑波」と称される名峰の雄大さを酒名に冠していました。 大吟醸「筑波 紫の峰」などの高級ラインを展開し、筑波山水系の豊かな恵みを感じさせる酒質でした。現在は廃業していますが、郷土の誇りを表す銘柄として親しまれていました。
寿山
じゅざん「寿山(じゅざん)」は、石岡酒造が醸していた、めでたい席に華を添える銘柄です。長寿を祝う「寿」と、地域の山々を連想させる「山」を組み合わせた、縁起の良い酒名です。 贈答用や慶事の酒として重宝されていました。現在は廃業していますが、祝福の気持ちを伝えるための日本酒として地域の人々に親しまれていました。
米音
こめおと「米音(こめおと)」は、石岡酒造が醸していた、米の魅力を追求した銘柄です。「米の音」という詩的な名前には、原料米へのこだわりと、酒造りの繊細なプロセスが表現されています。 米本来の旨味を最大限に引き出すことを目指した酒質で、純米吟醸などを中心に展開されていました。現在は廃業していますが、その独自の感性と味わいでファンに愛されていた銘柄です。
いしおか恋瀬姫
いしおかこいせひめ「いしおか恋瀬姫」は、石岡酒造が醸していた、地元の伝説をモチーフにした地域色豊かな銘柄です。石岡市を流れる恋瀬川の優雅なイメージと、地域の魅力を発信するために誕生しました。 女性的な優雅さと、華やかで親しみやすい味わいを目指して造られていました。現在は廃業していますが、地元の文化を伝える日本酒の一つとして記憶されています。
酔鶴
よいづる「酔鶴(よいづる)」は、石岡酒造が醸していた、長寿と吉祥の象徴である鶴を酒名に冠した格式ある銘柄です。鶴のように優雅に、心地よく酔いを楽しむという風流な情景が込められています。 贈答用やハレの日の酒としてふさわしい、凛とした味わいが特徴でした。現在は廃業していますが、石岡の酒造りの技術の粋を集めた銘柄の一つとして知られていました。
SEN
せん「SEN」は、廣瀬商店が手掛ける革新的な銘柄で、「一圃一酒(いっぽ・いっしゅ)」というコンセプトを体現しています。特定の単一の田圃から収穫された米のみを使用し、その土地のテロワールを極限まで追求した取り組みです。 単一農家、単一圃場の米にこだわることで、その年の気候や土壌の個性を純粋に表現しています。従来の日本酒の概念を超え、ワインのように「畑」の個性を楽しむ新しいスタイルとして高い評価を受けています。 フルーティーで濃厚な味わいと、毎年異なる米の表情を最大限に引き出す酒造りが特徴です。
霞の里
かすみのさと「霞の里(かすみのさと)」は、霞ヶ浦に注ぐ恋瀬川のほとり、歴史ある石岡の風土を表現した銘柄です。霞ヶ浦周辺の穏やかな田園風景と、水辺の情景を酒名に冠しています。 茨城県産の酒造好適米「ひたち錦」を100%使用し、伝統的な製法で醸された純米酒です。まろやかな中にも心地よいキレがあり、地元石岡の食、特に名産の湖の幸との相性を意識した酒質です。 冷やから常温まで、幅広い温度帯で米の旨味を感じられる、地域に根ざした一品です。
オヤジナカセ
おやじなかせ「オヤジナカセ」は、そのユニークな名前と確かな品質で人気の銘柄です。「親父泣かせ」という名には、美味しい酒で親父を泣かせる(喜ばせる)、あるいは親父が独り占めしたくなるほど旨い、といった遊び心が込められています。 兵庫県産の山田錦を栽培する農家と、廣瀬商店の出会いから生まれたストーリー性のある酒です。話題性だけでなく、200年以上の歴史を持つ蔵の技術が集結した本格的な味わいが特徴です。 息子や娘から父親への贈り物としても親しまれ、家族の絆を深める一杯として多くの人々に選ばれています。
紅梅一輪
こうばいいちりん「紅梅一輪(こうばいいちりん)」は、一輪の紅梅という風雅な情景を表現した銘柄です。春の訪れを告げる梅の花の清楚な美しさと、日本酒の持つ繊細な魅力を重ね合わせています。 廣瀬商店の伝統的な酒造技術が息づく、上品でバランスの取れた味わいが特徴です。淡麗辛口に仕上げられ、飲み口がサラリとしており、香りと味の調和が取れています。 繊細な料理の味を引き立てる酒質で、特に冷やして飲むことでその清楚な魅力が際立ちます。
白菊
しらぎく「白菊(しらぎく)」は、文化2年(1805年)の創業以来、廣瀬商店を守り続けてきた伝統の代表銘柄です。筑波山水系の良質な仕込み水と、地域の寒冷な気候を活かして醸されています。 力強い酸味と芳醇で濃厚な味わいが特徴で、飲み飽きしない旨味とコクを併せ持っています。冷やから熱燗まで、どの温度帯でもそれぞれの美味しさが楽しめる「万能清酒」として長年愛されてきました。 どっしりとしたボディとしっかりした酸があり、毎日の食卓を豊かに彩る、食事に寄り添う日本酒の理想形を追求し続けている銘柄です。
筑波の白梅
つくばのはくばい「筑波の白梅(つくばのはくばい)」は、茨城のシンボル筑波山と、春の訪れを象徴する白梅を名に冠した銘柄です。筑波山水系の清らかな地下水と、厳選された米を使用して醸されています。 キレが良く、飲み飽きしないコクのある味わいが特徴の本醸造酒として知られています。廣瀬商店の伝統的な技術によって、日常の食卓に彩りを添える酒として造り上げられています。 冷やから燗まで様々な温度帯で楽しめ、特に食事の味を引き立てる穏やかな香りと風味が魅力です。
富士泉
ふじいずみ「富士泉(ふじいずみ)」は、寛正3年(1462年)創業という、日本で2番目の古さを誇る藤田酒造店の代表銘柄です。応仁の乱の戦火を避けて石岡の地へ移り以来、550年以上の歴史を刻み続けています。 「富士山のように雄大で、泉のように清らかな酒」を目指すという理念がその名に込められており、古くは水戸光圀公からも称賛を受けたという由緒ある地酒です。 すっきりとした飲み口の中にも伝統に裏打ちされた深いコクがあり、地元で長く愛され続けている、歴史ロマン溢れる一献です。
恵泉
けいせん「恵泉(けいせん)」は、享保元年(1716年)創業という日立市で最も古い歴史を誇る嶋崎酒造の伝統銘柄です。その名は、敷地内の深さ135メートルから湧き出る「御貴井戸(おたかいど)」に由来します。 どんな日照りでも絶えることなく湧き出し、人々に恵みを与えてきた貴い井戸水への感謝が込められた名です。 この清らかな水で醸された酒は、なめらかで爽快な、みずみずしい味わいが特徴です。地域の食文化と共に300年以上の歴史を歩んできた、日立を代表する地酒です。
玉の雫
たまのしずく「玉の雫(たまのしずく)」は、嶋崎酒造が純米酒などの上位グレードに用いる銘柄です。「玉」のように美しく貴重な、一滴一滴の雫を大切にするという蔵の想いが込められています。 日立市の地域ブランドとしても認定されており、綺麗ですっきりとした口当たりと、芳醇で豊かな風味が調和した味わいが特徴です。 特に華やかな香りの純米吟醸などは女性にも人気が高く、都会的な洗練さと伝統の技が融合した、嶋崎酒造の新たな魅力を伝える銘柄です。
Any.
エニー「Any.(エニー)」は、菊乃香酒造が手掛ける革新的な銘柄で、「どんな場面でも、誰とでも楽しめる(Anyone, Anywhere, Anytime)」というコンセプトを体現しています。日本酒の伝統を大切にしながらも、現代のライフスタイルに溶け込む味わいを追求しています。 生酛造りなどの伝統技法を用いつつ、モダンでクリアな飲み口に仕上げられており、日本酒初心者から愛好家まで幅広い層に親しまれています。 日立市十王町の豊かな自然の中で育まれた、新しい時代の日本酒を象徴するブランドです。