山形県の日本酒銘柄一覧
澤正宗
さわまさむね EC澤正宗は明治40年代に二代目・古澤徳治が吟味を重ねた美酒の結晶として誕生した、古澤酒造の代表銘柄です。「大吟醸以外は、ふくよかで、柔らかくて、香りがあまり強くないのが特徴」とされています。 糖類は一切添加せず、純米酒と吟醸造りには特に力を入れており、「味に力があって、香が軽やかで、やわらかい酒」という蔵の理念を体現しています。山形の雪解け水が山々を伝い、時間をかけてろ過された軟水を使用し、口当たりが柔らかく、クセのない味わいに仕上げています。 二代目徳治の吟味と探求の精神が結実した澤正宗は、古澤酒造の品質へのこだわりを象徴する銘柄として、長年にわたり多くの日本酒ファンに愛され続けています。
月夜の眠り
つきよのねむり EC月夜の眠りは、千代寿虎屋が醸す特別な純米酒で、山形県産の出羽燦々を60%精米し、山形酵母を使用してアルコール度数15%に仕上げた日本酒です。 黄色い猫がデザインされたボトルが特徴的で、月夜にぐっすり眠る猫のイメージから、穏やかで心地よい味わいを連想させます。出羽燦々米の特性を活かした、優しい口当たりと柔らかな風味が魅力の銘柄です。
千代寿
ちよことぶき EC千代寿は千代寿虎屋の代表銘柄で、1952年に商標登録された歴史ある銘柄です。山形県産米だけを使用し、月山の伏流水で仕込まれた、地酒の本質を追究する蔵の理念を体現しています。 米作りから酒造りまで一貫して関わることで、原料の品質を徹底管理し、山形のテロワールを表現した純粋な地酒として、70年以上にわたり地元内外で愛され続けています。 千代寿という名前には「千代に続く寿ぎ(ことほぎ)」という意味が込められており、長く愛される酒でありたいという蔵元の願いが表現されています。寒河江の自然と伝統の技が融合した、安定した品質の日本酒です。
寒河江之荘
さがえのしょう寒河江之荘は千代寿虎屋が醸す銘柄で、蔵のある寒河江市の地名を冠した地域性豊かな日本酒です。山形県産米と月山の伏流水を使用し、寒河江のテロワールを表現しています。 地域への愛着と誇りが込められた銘柄として、地元で親しまれており、千代寿虎屋のラインナップの中で推奨される商品の一つとして位置づけられています。
大江錦
おおえにしき大江錦は、山形県大江町で栽培された酒米を使用して醸される日本酒です。出羽燦々や美山錦といった米品種を使用し、朝日山脈の湧き水で仕込まれています。 大江町という特定の産地の米を使用することで、よりミクロなテロワールを表現した銘柄として、千代寿虎屋の地域密着型の酒造りを象徴しています。原料の産地を明確にすることで、山形県内でもさらに細かな地域性を表現する取り組みが特徴です。
興譲
こうじょう興譲は、米沢藩9代藩主・上杉鷹山公が再興した藩校「興譲館」から名前を取った銘柄です。興譲館の名前の由来は「相手と心を通じあわせるには、譲ること、つまり思いやりの心がもっとも大切」という教えにあります。 その教えにしたがい、米・米麹・水それぞれの声に耳を傾けながら「興譲」は生まれました。原料それぞれの個性を尊重し、調和させることで、バランスの取れた味わいを実現しています。 「興譲 出羽の里 純米吟醸」や「興譲 ゆずるをおこす 純米吟醸 つや姫」など、山形県産米を使用した複数の商品展開があり、米沢の教育文化の伝統を現代に伝える銘柄として、地域内外で評価されています。
濱田
はまだ濱田は浜田株式会社の社名を冠した銘柄で、創業以来の伝統と蔵の個性を表現した日本酒です。150年以上にわたる米沢での酒造りの歴史と技術が結集した、蔵のルーツを感じられる銘柄として位置づけられています。
Faucon
フォコンFauconは、浜田株式会社が2019年7月1日に新発売した革新的な日本酒シリーズです。フランス語で「鷹」を意味する名前が付けられ、上杉鷹山公への敬意が込められています。 山形県産米の個性を最大限に引き出すことをコンセプトに、「雪女神」「出羽燦々」「出羽の里」「つや姫」など、100%山形県産の米品種を使用しています。それぞれの米の特性を活かした複数のバリエーションがあり、モダンで洗練されたデザインも特徴です。 創業153年の伝統を持ちながら、新しい日本酒の可能性を追求する浜田株式会社の挑戦を象徴する銘柄として、若い世代を中心に注目を集めています。
雪氷柱
ゆきつらら雪氷柱は浜田株式会社が醸す銘柄の一つで、雪国山形の冬の情景を想起させる名前が付けられています。米沢の厳しい冬の寒さと雪が育む清冽な味わいを表現した日本酒です。
沖正宗
おきまさむね沖正宗は浜田株式会社の代表銘柄で、創業地の名「沖」にちなんで命名されました。150年以上にわたり米沢を代表する日本酒として親しまれてきた、蔵の歴史を象徴する銘柄です。 米沢の豊かな自然環境と、上杉家の城下町として培われた文化的土壌の中で育まれた沖正宗は、地域の食文化に寄り添いながら、長年にわたり多くの人々に愛され続けています。伝統の技術と品質へのこだわりが結実した、米沢の宝といえる銘酒です。
天下御免の大ふへんもの
てんかごめんのだいふへんもの天下御免の大ふへんものは、前田慶次の逸話に由来する銘柄名です。前田慶次は上杉の陣営に参加した際「大ふへんもの」という旗を掲げたと伝えられています。 「大ふへんもの」は本来「大武辺者」を意味し、優れた武人を指す言葉ですが、慶次自身は「大不便者」と説明し、「遠くから駆け付けたので土地勘もないし仲間もいないため大いに不便をしている」というユーモアを交えた解釈を示したという逸話があります。 この逸話は前田慶次の飄々とした人柄と機知を示すものとして知られており、米沢と上杉家の歴史、そして武辺者の文化を今に伝える銘柄名として、地域の物語性を表現しています。
なせば成る
なせばなるなせば成るは、米沢藩9代藩主・上杉鷹山の有名な言葉「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」に由来する銘柄です。 この言葉は「努力すればどんなことでも達成できる、できないのは努力しないからだ」という意味で、困窮していた米沢藩を改革し再興した鷹山公の不屈の精神を表しています。米沢市民にとって誇りとなっている教えを銘柄名に冠することで、地域の歴史と文化を表現しています。 上杉家御用達の蔵元として420年以上の歴史を持つ小嶋総本店が、鷹山公の精神を現代に伝える銘柄として醸しており、米沢の人々の心に響く特別な日本酒です。
東光
とうこう EC東光は小嶋総本店の代表銘柄で、米沢城から見て日の出の方向に蔵があることから「米沢における日の出の酒」という意味で命名されました。 フルーティーで柔らかく、親しみやすい味わいが特徴で、2025年には「東光 純米吟醸 原酒」がワイングラスでおいしい日本酒アワード2025のメイン部門で最高金賞を受賞するなど、その品質は高く評価されています。 慶長2年(1597年)創業以来、420年以上にわたり上杉家の御用達として歴史を刻んできた小嶋総本店の技術と伝統が結集した銘柄です。場所を変えずに伝統的な酒造り手法を守り続け、米沢の文化遺産としても重要な存在として、地域内外で愛され続けています。
美味酒
うまざけ美味酒は小嶋総本店が醸す銘柄で、その名の通り「美味しい酒」を追求した日本酒です。シンプルで直接的な銘柄名には、飾らない美味しさを提供したいという蔵元の姿勢が表れています。 420年以上の歴史を持つ小嶋総本店の技術が生み出す、親しみやすく飲みやすい味わいが特徴で、日常的に楽しめる日本酒として位置づけられています。
東光正宗
とうこうまさむね東光正宗は、小嶋総本店の代表銘柄「東光」に「正宗」を加えた銘柄です。正宗は日本酒の代名詞とも言える伝統的な名称で、正統派の酒質を表現しています。 東光ブランドの中でも、より伝統的な製法と味わいを重視したラインとして展開されており、小嶋総本店の長い歴史と技術の結晶を感じられる銘柄です。
洌
れつ EC洌は2000年に発売された特約店限定ブランドで、「真冬の清流に手を浸したような凛とした印象」を表現するために命名されました。 「洌」という漢字は「清い」「冷たい」という意味を持ち、キリッとした辛口のイメージと、適度な熟成による活き活きとした旨味が特徴です。特約店のみで扱われる限定流通という希少性と、小嶋総本店の高い技術が結集した、こだわりの日本酒として愛好家に支持されています。 山形県産の雄町米を使用した「洌 純米吟醸 雄町」など、原料米の個性を活かした複数のバリエーションがあり、東光ブランドとは異なる個性を持つ銘柄として展開されています。
日本響
にほんひびき EC日本響は小嶋総本店が醸す銘柄で、上杉謙信の軍旗に描かれた紺地日の丸をラベルに使用した純米吟醸酒です。 上杉家御用達として420年以上の歴史を持つ小嶋総本店ならではの銘柄で、上杉家の歴史と伝統を現代に伝えています。銘柄名の「日本響」には、日本全国に響き渡る美酒でありたいという願いが込められており、上品で豊かな香りと柔らかくバランスの取れた味わいが特徴です。 明治時代に政府が酒造免許を増やした際に生まれたブランドで、歴史的背景を持ちながらも現代的な味わいを実現した、小嶋総本店の技術の高さを示す銘柄です。
マイ・ミニオン
まい・みにおんマイ・ミニオンは「私のお気に入り」という意味を持つ、全国でも珍しいもち米だけで造られたワイン風味のまったく新しいタイプのお酒です。 通常の日本酒は酒造好適米(うるち米)を使用しますが、マイ・ミニオンはもち米を100%使用するという独創的な製法を採用しています。もち米由来の独特の甘みと粘りが生み出す、他にはない味わいが特徴で、ワインのような風味を持ちながら日本酒の要素も併せ持つ、新ジャンルの酒として注目を集めています。 8年以上熟成された古酒もあり、時間の経過とともに深まる複雑な味わいも魅力です。伝統的な酒造りの技術を持ちながら、新しい挑戦を恐れない香坂酒造の革新性を象徴する銘柄です。
鷹山
ようざん鷹山は、米沢藩9代藩主・上杉鷹山公の名前を冠した銘柄です。困窮していた米沢藩を改革し、財政再建と産業振興を成し遂げた名君として知られる鷹山公への敬意が込められています。 「香梅 純米生原酒 鷹山」は、仕込みが行われる冬の大寒の時期にしか飲めない、ナンバリングされた純米の原酒の生酒で、季節限定品として人気があります。 極寒の米沢という環境で醸される生原酒は、フレッシュで力強い味わいが特徴で、鷹山公の不屈の精神と重なるような、骨格のある酒質が魅力です。限定品という希少性も相まって、米沢の歴史と文化を感じられる特別な銘柄として愛されています。
香梅
こうばい香梅は香坂酒造の代表銘柄で、「雪国米沢でこそ醸せる逸品」として知られています。すっきりと爽やかな味わいが特徴で、極寒の豪雪地帯である米沢の厳しい環境を活かした伝統的な寒造りから生まれます。 梅の花の香りを連想させる銘柄名には、厳しい冬の中でも凛と咲く梅のような清々しさと気品が込められています。香坂酒造の徹底した手作りへのこだわりが生み出す、丁寧な酒質が魅力です。 極寒の中、手がかじかむような環境でも妥協せず、一つ一つの工程を丁寧に行う職人の技が、香梅の清冽で爽やかな味わいを支えています。米沢の冬の厳しさと美しさを表現した、地域性豊かな銘酒です。