曙酒造は明治37年（1904年）、福島県会津坂下町に創業した酒蔵です。
創業者の鈴木幸四郎氏は地元の味噌を造る蔵で大番頭を任されていましたが、小作人が作る米の良さに着目し、独立して酒蔵を興しました。
現在の杜氏は鈴木孝市氏で、5代目にあたる鈴木明美蔵元の御子息であり次期蔵元となる人物です。

曙酒造は地元米・地元水を使用し、さらなる酒質の向上を目指しながらも、曙酒造らしさを忘れることなく、酒造りへ全身全霊をかけて向き合っています。
仕込み水は会津坂下町にある会津中央乳業の敷地内から湧き出る水を使用し、酒米は会津坂下生まれの単一酒造好適米と県酵母に特化したシリーズを展開しています。
具体的には会津坂下産「瑞穂黄金」、会津産美山錦、会津産山田錦、岡山県赤穂市「雄町」、会津産夢の香、会津産「亀の尾」などを使用し、米の個性を最大限に引き出す酒造りを実践しています。

主要銘柄としては「天明」「一生青春」「Snow drop」があり、それぞれが異なる個性を持ちながら、曙酒造の品質へのこだわりを体現しています。
また、東日本大震災と熊本地震の被災地復興支援を目的として、全国47都道府県305地域から集められた米で酒を造る「絆舞」プロジェクトを展開し、全国新酒鑑評会で史上初、全国で栽培された米で醸した酒の入賞という記録を樹立しました。
曙酒造は伝統を守りながらも、被災地支援や地域貢献といった社会的使命を果たす蔵元として、会津の酒造りの未来を切り開いています。