石川県の日本酒銘柄一覧

遊穂は御祖酒造が「料理に寄り添う酒」をコンセプトに醸す代表銘柄で、食中酒としての完成度の高さで知られています。 銘柄名の「遊穂」は、稲穂が風に遊ぶ様子を表現しており、米の恵みと自然との調和を象徴しています。最大の特徴は、伝統的な生酛造りを中心とした醸造方法で、自然の乳酸菌を活用することにより生まれる複雑な酸味と深い旨味です。 この独特の酸味と旨味のバランスが、様々な料理との相性を生み出しており、特に脂の乗った魚料理、発酵食品、個性的な味わいの料理とのペアリングで真価を発揮します。口に含むと米の旨味がふくよかに広がり、酸味が全体を引き締め、後味はすっきりとキレが良く、次の一口を誘います。 杜氏・横道俊昭の高い技術力と、藤田美穂代表の「料理に寄り添う」という明確な理念が結実した遊穂は、日本酒と料理のマリアージュを追求する愛好家に支持される、個性的で完成度の高い銘柄です。能登の自然が育んだ米と水、そして伝統的な生酛造りの技が調和した、御祖酒造の情熱が込められた逸品です。

二羽鶴は二羽鶴酒造場の屋号をそのまま銘柄名とした、蔵元の誇りと伝統を体現する日本酒です。 「二羽鶴」という名は、二羽の鶴が寄り添う姿を表現しており、夫婦円満や家族の幸せを象徴する縁起の良い銘柄名です。最大の特徴は、黒蜜や線香を連想させる独特の香りと、複雑で奥深い味わいです。この個性的な香味は、伝統的な製法と長年培われた技術の賜物であり、他にはない唯一無二の個性を持っています。 美女山の軟水を仕込み水に使用することで生まれる柔らかな口当たりと、米の旨味がしっかりと感じられる味わいは、冷やして飲んでも燗にしても楽しめる懐の深さを持ちます。特に燗にすると香りが一層立ち上がり、複雑な味わいが開花します。 極めて少量生産のため市場での入手が困難な幻の地酒として、地元能美市を中心に熱心な愛好家に支持される二羽鶴は、二羽鶴酒造場の丁寧な手作業と伝統技法が生み出す、個性豊かな逸品です。

池月は鳥屋酒造を代表する銘柄で、源頼朝の愛馬として知られる名馬「池月(いけづき)」にちなんで命名されました。 池月は平家物語に登場する名馬で、宇治川の先陣争いで梶原景季が騎乗し、その俊足と勇壮さで知られています。この銘柄名には、名馬のような力強さと優雅さを兼ね備えた日本酒でありたいという願いが込められています。 白山山系の軟水を仕込み水に使用することで生まれる柔らかな口当たりと、米の旨味がしっかりと感じられる味わいが特徴です。軟水仕込みならではの穏やかで優しい味わいは、白山麓の食文化、特に山菜や川魚、地元の野菜との相性が抜群で、食中酒として日々の食卓に寄り添います。 年間製造量約300石という小規模生産を貫くことで、丁寧な手作業による伝統的な製法を守り、一本一本に蔵元の真心が込められています。地元白山市を中心に愛される池月は、白山の自然の恵みと鳥屋酒造の誠実な酒造りが結実した、地域性豊かな銘柄です。