福岡県の日本酒銘柄一覧
磯乃澤
いそのさわ EC磯乃澤はいそのさわの屋号をそのまま冠した主力銘柄で、1893年(明治26年)の創業以来130年以上にわたる伝統と歴史を体現する代表的な酒です。 創業者である髙木喜三郎の父「いそきち」と母「さわ」の名前を組み合わせた「いそのさわ」という社名に、海辺を意味する「磯」と清流を意味する「澤」の漢字を当てた、蔵元の根幹を成す銘柄です。 うきは市は「名水の郷」として知られ、全国でも珍しい「水道の無い町」として、全世帯が井戸水または山水を生活用水として利用しています。清水湧水は「日本名水百選」にも選定されており、いそのさわは創業以来130年以上にわたり蔵の井戸から湧き出る湧水を仕込み水として使用しています。「名水あるところに銘酒あり」という言葉を体現する蔵元として、この水の良さが磯乃澤の酒質の根幹を成しています。 耳納連山に降った雨が長い年月をかけて地下で濾過され、ミネラルバランスに優れた軟水として湧き出るこの名水が、磯乃澤のやわらかく滑らかな口当たりと上品な味わいを生み出しています。米本来の旨味を引き出しながらも、水の良さが際立つ透明感のある酒質が特徴で、食事との相性が良い食中酒として設計されています。 磯乃澤は純米酒、純米吟醸、吟醸生酒など複数のグレードで展開され、それぞれの製品が異なる個性を持ちながらも、名水うきはの水質を活かしたやわらかさという共通点を持っています。冷やして飲むと爽やかな香りと清涼感が際立ち、常温ではふくよかな米の旨味が膨らみ、温めても水の良さが際立つ優しい味わいが楽しめるなど、温度帯による表情の変化も魅力です。 130年以上の歴史を持つうきは市唯一の蔵元として、地域の名水文化を酒造りに活かし、伝統を守りながらも革新的な取り組みにも挑戦する姿勢を持つ磯乃澤は、うきはの地酒文化を代表する銘柄として、地元を中心に広く愛飲されています。
駿
しゅん EC駿(しゅん)はいそのさわが醸す銘柄の一つで、「駿」という文字が持つ「優れた」「傑出した」という意味を冠した、蔵元の自信作です。 2025年フランス・Kura Master純米酒部門で金賞を受賞し、国際的な評価を獲得した実力派銘柄として注目されています。 うきは市の名水を最大限に活かした酒造りが駿の最大の特徴です。全国でも珍しい「水道の無い町」として全世帯が井戸水または山水を利用するうきは市において、いそのさわは創業以来130年以上にわたり蔵の井戸から湧き出る清冽な湧水を使用しており、この水質が生み出すやわらかく滑らかな口当たりが駿の品質の基盤となっています。 純米酒「駿」は、Kura Master金賞受賞が示すように、フランスの日本酒愛好家やソムリエからも高い評価を受ける、国際的な品質を持った銘柄です。米本来の旨味を引き出しながらも、名水うきはの水質を活かした透明感と上品さを併せ持ち、バランスの取れた味わいが特徴です。フランスでの評価は、うきはの名水が生み出す洗練された酒質が、日本国内だけでなく世界でも通用することを証明しています。 「駿」という銘柄名には、優れた品質を追求するという蔵元の強い意志が込められており、いそのさわの技術力と名水の恵みが融合した、蔵元を代表する銘柄の一つとして位置づけられています。冷やして飲むことで、清涼感と上品な香りが際立ち、ワイングラスで楽しむと、フランスのソムリエが評価した繊細なアロマと味わいの層が一層際立ちます。 うきは市の豊かな自然と名水の恵み、そして1893年の創業以来受け継がれてきた伝統技術が結実した駿は、「名水あるところに銘酒あり」を国際的に証明した、うきは市唯一の蔵元が誇る金賞受賞銘柄です。
興玉
おきたま興玉(おきたま)は高野酒造場が醸す銘柄で、築上郡上毛町という福岡県北東部の山間地で育まれる地酒です。 「興」という文字が持つ「興す」「盛り上げる」という意味と、「玉」という貴重なものを表す文字を組み合わせた、地域の宝として愛される酒でありたいという願いが込められた銘柄名です。 上毛町は大分県との県境に近い山間地で、耶馬溪に連なる豊かな自然環境に恵まれています。この地域の地下水は山々に降った雨が長い年月をかけて濾過された清冽な水で、酒造りに適した水質を持っています。興玉はこの上毛町の自然の恵みを活かし、地域に根ざした酒造りを実践する高野酒造場の代表銘柄です。 築上郡という福岡県の辺境に位置する小規模な蔵元でありながら、伝統的な酒造技術を守り続け、地域の食文化と密接に結びついた酒造りを行っています。地元の郷土料理や山の幸、周防灘の海の幸など、築上郡の多彩な食材と相性の良い、食中酒としての役割を果たす酒質が特徴と考えられます。 山間地の静かな環境の中で丁寧に醸される興玉は、上毛町の自然の恵みと伝統技術が融合した、地域の宝ともいえる地酒として、地元を中心に親しまれています。