千徳酒造は明治36年（1903年）創業の歴史ある酒蔵で、宮崎県において清酒製造に特化した唯一の専門蔵です。焼酎王国と呼ばれる南九州にあって、創業以来一貫して焼酎造りは行わず、清酒のみを醸造し続けるという強いこだわりを持っています。
延岡市を流れる五ヶ瀬川水系大瀬川の近くに位置し、高千穂を水源とする清流の伏流水を仕込み水として使用しています。この水は水質ランキングで日本一に輝いたこともある優れた水質を誇り、千徳の酒質を支える重要な要素となっています。
酒米は主に高千穂産の山田錦や、宮崎県オリジナル品種「はなかぐら」を使用し、地元契約農家との連携により高品質な原料米を確保しています。手洗いによる丁寧な米処理と、伝統的な製法へのこだわりが、千徳独特の味わいを生み出しています。
全国新酒鑑評会では過去10年間で4回金賞を受賞するなど、安定した技術力を発揮しています。スパークリングタイプの日本酒など新しい酒質の開発にも積極的に取り組み、伝統と革新の融合を図っています。酒蔵に併設された「はなかぐら館」では、自社の日本酒のほか地元の物産品も販売し、地域の観光拠点としての役割も果たしています。