四家酒造店は弘化2年（1845年）創業の老舗で、無類の酒好きだった初代又兵衛氏が、自分で楽しむために酒造りを始めたことが起源です。
初代又兵衛は自分のことを「真酒躬（マコトノサケノミ）」と呼び、その酒への情熱が現在まで続く酒造りの礎となっています。
現在の7代目・四家久央氏は「地元の人に喜ばれる酒を作りたいという想いは、昔も今も変わらない」と語り、地域に根ざした酒造りを貫いています。

昔からの製法を守り、11月半ば頃から南部杜氏の方々が蔵に住み込んで丁寧な酒造りを行っています。
冬でも気候が温暖ないわきでは、仕込みの際の醪の管理が難しいという課題がありますが、高度な技術でこれを克服し、安定した品質の酒を醸し続けています。
厳選された福島県オリジナル酒米「夢の香」を贅沢に使用し、透明感のある美しい香りと、口に含んだ瞬間に広がる芳醇な味わいを実現しています。

現在、いわき市で仕込みを行うのは四家酒造店を含め2軒のみとなっており、いわきの酒造文化を支える重要な役割を担っています。
代表銘柄「又兵衛」は、いわき市では知らない人はいないほどの知名度を持ち、大吟醸は全国新酒鑑評会で6年連続金賞を受賞するなど、品質の高さが広く認められています。
生産したお酒の9割が地元で消費されており、地域に深く根ざした蔵元として、いわきの食文化を支え続けています。