今西清兵衛商店は、明治17年より酒造業を始めた老舗酒蔵で、江戸時代や明治時代の建物が多く残る「ならまち」にあります。
代々、今西家は春日大社の神官として神々に供える酒を醸していましたが、明治政府発令の神佛分離令によりやむなく辞職し、日本酒発祥の地である奈良で酒造業を始めました。
酒銘「春鹿」は、春日の神々が鹿に乗ってやってきたという伝説に由来します。明治17年の創業以来、味・コク・香り、すべてにおいて高品質な酒造りを続ける酒蔵で、昔ながらの木桶仕込みによる発酵を行うなど、伝統的な酒造りを受け継いでいます。
「諸白造り」「段仕込み」「火入れ」など、室町時代にかけて奈良で確立された画期的な技法と、奈良を指す地名"南都"より「南都諸白」と呼ばれた伝統を今に伝える銘醸蔵です。
「春鹿」は、アメリカや韓国、フランスをはじめ、世界10数カ国に輸出され、愛飲されています。かつて、酒蔵の一部として利用していた建物で、700円(税込み)で数種類の日本酒の試飲ができ、観光客に人気のスポットになっています。