やちや酒造は前田利家公が金沢入城の際に尾張国から従った神谷内屋仁右衛門が前田家専用の酒造りのため移住したことに始まります。実際の酒造業としての創業は1628年で、約400年の歴史を持つ金沢最古級の酒蔵です。
前田家三代利常公より神谷内屋の「神」を外して「谷内屋(やちや)」の屋号を拝領し、代表銘柄「加賀鶴」も加賀藩の「加賀」とおめでたい「鶴」を合わせて利常公より賜った由緒正しい名です。
江戸中期に建てられた酒蔵は「ちょんな削り」という独特の表面仕上げが施され、母屋も典型的な商家の面影を残す北国街道沿いの金沢らしい建物として、文化庁登録有形文化財に指定されています。
酒造りは米作りからという信念のもと、JA金沢市に「三谷やちや部会」を設立し、専用の酒造好適米「五百万石」「石川門」「百万石乃白」を地元契約栽培で調達しています。やちや酒造の特徴である濃醇で旨みの強い日本酒は、北陸の魚介と相性が良く、全日空国際線ビジネスクラス採用やKura Master 2020金賞受賞など、国際的にも高い評価を受けています。