片岡酒造場
| 名前 | 片岡酒造場 |
|---|---|
| ふりがな | かたおかしゅぞうじょう |
| 住所 | 福岡県 朝倉郡 東峰村大字宝珠山22 |
| TEL | 0946-72-2321 |
| FAX | 0946-72-2096 |
片岡酒造は1898年(明治31年)に創業し、福岡県の東端に位置する東峰村大字宝珠山に蔵を構える酒造場です。
筑後川の源流域である小石原川沿いの山間地に位置し、福岡県内で唯一「日本名水百選」に選定された岩屋湧水を仕込み水として使用する、水の恵みに特化した酒造りが最大の特徴です。
仕込み水の岩屋湧水は、小石原の山々に降った雨が長い年月をかけて地下深くで濾過され、ミネラルバランスに優れた軟水として湧き出る名水です。この水は酒造りだけでなく、地域住...
片岡酒造は1898年(明治31年)に創業し、福岡県の東端に位置する東峰村大字宝珠山に蔵を構える酒造場です。
筑後川の源流域である小石原川沿いの山間地に位置し、福岡県内で唯一「日本名水百選」に選定された岩屋湧水を仕込み水として使用する、水の恵みに特化した酒造りが最大の特徴です。
仕込み水の岩屋湧水は、小石原の山々に降った雨が長い年月をかけて地下深くで濾過され、ミネラルバランスに優れた軟水として湧き出る名水です。この水は酒造りだけでなく、地域住民の生活用水としても利用され、村全体が豊かな湧水の恩恵を受けています。岩屋湧水の清冽でやわらかな水質が、片岡酒造の酒質の根幹を成しており、まろやかで上品な味わいの基盤となっています。
主力銘柄は「宝珠山」と「福稲」で、「宝珠山」は地名に由来し、「福稲」は弘法大師(空海)の伝説に基づいています。伝説によれば、弘法大師が宝珠山を訪れた際に村人に厚遇され、後に村が飢饉に見舞われた時、「福井」という井戸から米が湧き出て村を救ったという故事から「福稲」と名付けられました。この伝説は地域の歴史と文化を物語る重要な要素です。
2017年7月の九州北部豪雨で甚大な被害を受けましたが、4代目蔵元の片岡拓行氏を中心に、友人たちが「東峰一献」というグループを結成し、復興支援と酒造復活に取り組みました。「東峰一献」は「災害支援してくれた人々を再び東峰村に招きたい」「地域で酒米栽培を復活させたい」という理念のもと、2021年から村内で酒米栽培を開始し、約50年ぶりに途絶えていた地域の酒米文化を復興させました。
かつては自社醸造を行っていましたが、人口減少や消費低迷により約50年前に自社醸造を停止し、委託製造に移行していました。しかし、2017年の災害を契機として、地域に根ざした酒造りを再び実現したいという強い思いから、東峰一献の仲間たちとともに酒米栽培を復活させ、村の宝である岩屋湧水と地元産酒米を使用した「復活の酒」として新たな展開を目指しています。
片岡酒造の酒は、日本名水百選の岩屋湧水と小石原の自然が育む米を使用し、山間地の静謐な環境で醸される、地域の歴史と自然の恵みが凝縮された銘柄として、地元を中心に愛されています。