有限会社新藤酒造店は明治3年（1870年）に山形県米沢市で創業した老舗酒蔵です。現在は10代目の新藤雅信氏が社長兼製造責任者として蔵を率い、代表は新藤九郎左衛門氏が務めています。
新藤酒造店の最大の特徴は、「本物の地酒」を追求し、自社田で酒米から一貫生産する取り組みです。10代目雅信氏が東京農業大学から蔵に戻った際、当時の中心ブランド「九郎左衛門」を仕込む中で、こっそり一本だけ自分が目指す酒質の酒を仕込んで広め始めたのが「雅山流」の始まりでした。
1997年に発売された「雅山流」は、禅の言葉である「山流」から、「物事の固定観念にとらわれず自由な発想のお酒を醸したい」という想いを込めて名づけられました。自社田で栽培される出羽燦々を使用し、原料米から一貫して管理することで、真の地酒を実現しています。
新藤雅信氏は自ら蒸米釜を設計し、醸造設備も改良するなど、技術革新にも積極的です。現在では「雅山流」は20か国以上に輸出され、国際的にも評価される銘柄に成長しました。