島崎泉治商店は江戸時代から300年以上にわたり栃木県芳賀郡茂木町で酒造りを続けてきた歴史ある酒蔵でしたが、2014年に惜しまれつつも廃業しました。屋号は「栄屋」で、代々「利兵衛」を当主の名前として受け継いできた、地域の酒造文化を象徴する蔵元でした。
三代目栄屋利兵衛は商人でありながら、絵師・島崎雲圃（1731年〜1805年）として名を馳せた文化人でもありました。彦兵衛が分家して那須烏山市に創業したのが現在の島崎酒造で、島崎泉治商店はその本家にあたります。
代表銘柄「泉月花」は、濃醇で芳醇な旨味としっかりした飲み応えがありながら、後味はすっきりとしたバランスの良い酒質で、2004年には全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなど、その品質は高く評価されていました。
現在は酒造りを行っていませんが、300年以上にわたり茂木町の酒造文化を支えたその功績は、栃木県の酒文化の歴史に深く刻まれています。