篠崎は江戸時代後期の創業から220年以上にわたり、福岡県朝倉市比良松の地で酒類製造を続けている老舗蔵元です。
九州でも有数の穀倉地帯である朝倉地方に位置し、阿蘇山系からの伏流水という良質な仕込み水に恵まれた環境で、日本酒、焼酎、甘酒、リキュール、そしてウイスキーまで幅広い酒類を製造しています。
仕込み水には名水といわれる地下水を使用し、酒類の製造工程すべてにこの水を活用しています。阿蘇山系の地下深くから汲み上げられるこの水は、ミネラルバランスに優れた軟水系で、酒造りに適した水質として蔵元の酒質の基盤となっています。朝倉の自然豊かな土地で育まれた原料米と、この良質な仕込み水が織りなす酒は、やわらかく滑らかな口当たりと上品な味わいが特徴です。
日本酒銘柄「比良松」は蔵元所在地の地名に由来し、純米酒を中心に展開しています。焼酎では長期熟成麦焼酎「千年の眠り」がモンドセレクションで16回の金賞を受賞するなど国際的な評価も獲得しており、樽熟成麦焼酎「朝倉」は高峰譲吉博士の研究に着想を得て麹を用いたウイスキー様の製法で造られ、8年以上の樽熟成を経た独特の風味が特徴です。
甘酒「国菊あまざけ」は年間約200万本を製造する人気商品で、米麹と米のみから糖化させたノンアルコールの甘酒として、糖類や防腐剤を一切使用せず、「飲む点滴」として健康志向の消費者から支持されています。2008年にモンドセレクション金賞を受賞して以来、全国的な知名度を獲得しました。
2021年には福岡県初のクラフトウイスキー蒸溜所「朝倉蒸溜所」を開設し、伝統的な日本酒・焼酎製造の技術を基盤としながら、新たな挑戦としてウイスキー造りにも取り組んでいます。また、同年には「SHINDO LAB STAND」を朝倉市内にオープンし、地域の発酵文化の発信拠点としての役割も担っています。220年以上にわたる伝統を守りながらも、常に革新を続ける姿勢が篠崎の大きな特徴です。