福稲
ふくいね福稲は片岡酒造場を代表する銘柄の一つで、弘法大師(空海)にまつわる地域の伝説に由来する歴史ある銘柄名です。
伝説によれば、弘法大師が宝珠山の村を訪れた際に村人から厚いもてなしを受け、その後村が飢饉で苦しんだ時、「福井」という井戸から米が湧き出て村を救ったという故事から「福稲」と名付けられました。この伝説は東峰村宝珠山の歴史と文化を象徴する重要な物語です。
仕込み水には福岡県内で唯一「日本名水百選」に選定された岩屋湧水を使用しています。小石原...
福稲は片岡酒造場を代表する銘柄の一つで、弘法大師(空海)にまつわる地域の伝説に由来する歴史ある銘柄名です。
伝説によれば、弘法大師が宝珠山の村を訪れた際に村人から厚いもてなしを受け、その後村が飢饉で苦しんだ時、「福井」という井戸から米が湧き出て村を救ったという故事から「福稲」と名付けられました。この伝説は東峰村宝珠山の歴史と文化を象徴する重要な物語です。
仕込み水には福岡県内で唯一「日本名水百選」に選定された岩屋湧水を使用しています。小石原の山々に降った雨が長い年月をかけて地下深くで濾過され、ミネラルバランスに優れた軟水として湧き出るこの名水が、福稲の清らかでやわらかな味わいの源泉となっています。筑後川源流域の山間地という立地が生み出す清冽な水質が、酒質全体に透明感と上品さをもたらしています。
福稲は純米吟醸、純米酒など複数のグレードで展開され、蔵元では食事中に燗酒で楽しむことを推奨しています。温めることで米の旨味がふくよかに膨らみ、岩屋湧水由来のやわらかな口当たりが一層際立ち、食事との調和が深まります。冷やしても温めても美味しい懐の深い酒質で、山間地の郷土料理や川魚料理、季節の山菜料理などと相性が良く、東峰村の食文化に寄り添う地酒として親しまれています。
2017年の九州北部豪雨災害からの復興の象徴として、「東峰一献」グループが中心となり、約50年ぶりに村内で酒米栽培を復活させる取り組みが進められています。福稲は「復活の酒」として、地域の歴史と自然、そして人々の絆が凝縮された銘柄であり、日本名水百選の岩屋湧水と小石原の豊かな自然が育む米を活かした、東峰村の宝といえる存在です。