Sake Brands
in Fukushima
Kizunamai
絆舞は、東日本大震災と熊本地震の被災地復興支援をきっかけに誕生した社会貢献型の日本酒です。 震災から月日が経つことで薄れていく記憶や被災地を思う機会が減っているのではと考えた曙酒造の鈴木孝市杜氏が、「被災地の米で酒を造ろう」という思いから企画し、全国47都道府県305地域から集められた米で酒を造るという史上初の試みを実現しました。 全国新酒鑑評会で史上初、全国で栽培された米で醸した酒の入賞という記録を樹立し、技術力の高さを証明しました。 製品ラインナップは純米大吟醸 一回火入れ「佳酔(かすい)」、純米大吟醸 生酒「爽酔(そうすい)」、貴醸酒「極酔(ごくすい)」、大吟醸 一年熟成「芳酔(ほうすい)」の4種類があり、いずれも「芳醇かつ透明感があり、フルーティーで豊かな甘み」に仕上がっています。 このプロジェクトは全国249の信用金庫が協賛し、曙酒造より出荷される「絆舞」1本につき100円が被災地復興支援に寄付される仕組みとなっています。 全国の米を使いながらも一貫した高品質を実現する技術力、そして被災地への継続的な支援という社会的使命を果たす銘柄として、日本酒業界において特別な意義を持つブランドです。
Ootawarahiki
大俵引きは、天明・一生青春が生まれる前から曙酒造の新酒として作られていた歴史ある銘柄です。 地元会津坂下町で毎年1月14日に開催される奇祭「大俵引き」から名付けられており、この祭りは寛永2年(1625年)に始まったとされる伝統行事です。 極寒の中、下帯一本の男衆が東西に分かれ、長さ4メートル、高さ2.5メートル、重さ5トンの大俵を勇ましく引き合うこの祭りは、上町(東方)が勝つとその年の米の値段があがり、下町(西方)が勝つと豊作になるといわれており、引き子は一年間無病息災になるといわれています。 新酒らしい若々しいピチピチ感とドライな味わいが特徴で、曙酒造がある会津坂下町の地元銘柄「曙 あけぼの」の新酒・おりがらみ純米生酒として位置づけられています。 フレッシュで活き活きとした口当たりと、キレの良い飲み口が楽しめ、地元の食文化と深く結びついた銘柄です。 この地元の伝統的な奇祭から名付けられた日本酒で、会津坂下町の文化と曙酒造の長い歴史を表現した銘柄となっています。
Karousan
鹿狼山は、新地町商工会が平成7年(1995年)に開発し、地酒として30年愛されてきた銘柄です。 新地町で収穫された米を酒米として使用し、曙酒造が製造を担当することで、地域と蔵元の連携によって生まれた地域密着型の日本酒です。 銘柄名は新地町のシンボルである鹿狼山に由来しており、地元への誇りと愛着が込められています。 純米吟醸酒として醸され、辛口でまろやかな香りと旨味のある味わい、そしてすっきりとした後味が特徴です。 12月中旬から2月末までの期間限定で「おりがらみ」バージョンが販売され、こちらはよりフルーティーでさらにすっきりとした味わいとなっています。 地元の米と水、そして曙酒造の技術が融合した、新地町の風土を体現する銘柄として、地域住民に親しまれながら、福島県浜通り地方の地酒文化を支えています。
Kiyu
絆結は平成29年(2017年)に「興こし酒プロジェクト」の一環として誕生した銘柄で、4つの被災県(岩手、宮城、福島、熊本)の絆を結ぶ象徴として命名されました。 東日本大震災と熊本地震で被災した地域を信用金庫を通じて繋ぎ、各県で栽培された米をブレンドして一つの酒を造るという、技術的に非常に難しい挑戦を実現しました。 曙酒造がこの困難なプロジェクトに選ばれたのは、被災地に位置しているという地理的理由だけでなく、異なる産地の米を使いながら高品質な酒を醸す技術力が認められたためです。 4つの異なる産地の米は、それぞれ気候や土壌条件が異なるため、均一な品質を保つことは極めて困難ですが、曙酒造の技術によって見事に調和した味わいに仕上げられています。 売上の一部は災害復興支援に充てられ、被災地への継続的な支援を可能にしています。 絆結の成功を受けて、翌2018年には全国47都道府県の米を使った「絆舞」プロジェクトへと発展し、より大きな社会貢献の輪を広げることとなりました。 被災地の絆と復興への願いを込めた、社会的意義の高い銘柄です。
Isshouseishun
一生青春は、曙酒造が伝統的な杜氏制度を廃止し、蔵人自身で酒造りを行うという新たな挑戦を始めた際に、その決意を込めて命名された銘柄です。 「何歳になっても青春の心を持ち続け、新たな挑戦を続けていく」という理念が込められており、曙酒造の革新的な姿勢を象徴するブランドとして位置づけられています。 華やかな香りと軽やかな味わいが特徴で、豊かな風味を持ちながらも飲みやすい酒質に仕上げられています。 製品ラインナップは大吟醸、純米大吟醸、純米吟醸、吟醸、特別純米酒など多岐にわたり、それぞれが異なる個性を持ちながら、「一生青春」というコンセプトを体現しています。 伝統を守りながらも常に新しいことに挑戦する曙酒造の姿勢そのものを表現した銘柄で、品質の高さと革新性が評価されています。 天明、Snow dropと並ぶ曙酒造の主要銘柄の一つとして、若々しさと活力を感じさせる味わいで多くの日本酒ファンに支持されており、蔵元の未来志向と伝統技術の融合を象徴するブランドです。
Hiroki
飛露喜は廣木酒造本店を代表する銘柄で、「幻の酒」として全国的に知られ、福島県内でも入手困難なほどの人気を誇ります。 フルーティーな香りと米の旨味が調和した深い味わいが特徴で、リンゴやマスカットを思わせる華やかな吟醸香と、綺麗で優雅な香りが口中に広がります。 スッキリと綺麗な飲み口とまろやかで品のある深い味わいが共存し、透明感のある味わいに純粋な旨味が感じられる仕上がりとなっています。 「王道の酒」を目指し、甘口でも辛口でもなく、適度な香りと酸味を持ち、どんな料理にも合い、飲み飽きしない酒質を追求しています。 平成11年(1999年)に注目を集めた無濾過生原酒の製造手法は、後に日本酒業界全体に広がるきっかけとなりました。 北塩原村喜多方市の米と、地元の酵母を使用することで、地域の特性を生かした酒造りを実践しています。 SAKE COMPETITIONでの入賞を続けるなど、品質の高さが各種コンテストでも評価されており、廣木酒造本店の技術力と再現性へのこだわりが結実した銘柄として、多くの日本酒愛好家に支持されています。
Izumikawa
泉川は廣木酒造本店が手掛ける地元向けの銘柄で、「絶え間なく流れる川のように、常に繁栄する」という願いを込めて命名されました。 主に福島県内向けに出荷されるため流通量が少なく、飛露喜と比較しても入手が困難ですが、地元での根強い人気を持つ銘柄です。 味わいは飛露喜と比べてやや濃いめで、穏やかな香りとどっしりとした滑らかな味わいが特徴です。 透明感とキレがありながら、どこか丸みを感じさせる味わいで、日本酒好きにとってはたまらない酒質に仕上がっています。 酒造好適米「五百万石」「山田錦」などをふんだんに使い、高精白米にて醸すことで、上質な味わいを実現しています。 廣木酒造本店のコンセプトとして、「飛露喜は食事と共に主役を張り、泉川は食事の名脇役になれるように」という位置づけで造られており、食中酒として料理を引き立てる役割を重視しています。 地元福島での消費を重視した銘柄として、飛露喜とは異なる魅力を持つ日本酒であり、地域に根ざした酒造りの姿勢を体現しています。
Matsunotomo
松の友は豊田酒造場が手掛ける銘柄で、いわき市の地酒として地元で親しまれてきた日本酒です。 「松」は日本において長寿や繁栄を象徴する縁起の良い樹木であり、「友」は親しみや絆を表す言葉として、地域の人々と長く寄り添う酒でありたいという願いが込められています。 いわきの風土と食文化に調和する味わいを目指し、地元の食材との相性を重視した酒質に仕上げられています。
Hanazono
花園は豊田酒造場が醸す銘柄の一つで、華やかさと優雅さを感じさせる命名です。 「花園」という名前は、豊かで美しい情景を想起させ、日本酒の持つ芳醇な香りと華やかな味わいを表現しています。 いわき市の温暖な気候の中で丁寧に醸され、地域の食文化に寄り添う味わいを追求した銘柄として、地元で愛されてきた日本酒です。
Midaregami
みだれ髪は、いわき市を代表する観光地である塩屋埼灯台を舞台にした美空ひばりの名曲「みだれ髪」から着想を得た銘柄です。 この歌は昭和62年(1987年)に発表され、塩屋埼灯台には歌碑と美空ひばり遺影碑が建立されており、いわき市の文化的シンボルとなっています。 銘柄名にいわきゆかりの名曲を冠することで、地域への愛着と誇りを表現し、観光客や地元の人々に親しまれる地酒として位置づけられています。 いわきの海の幸をはじめとする地元料理との相性を重視した味わいで、地域の食文化を支える銘柄です。
Michinoku
美ち乃久は常磐酒類が製造していた銘柄で、「みちのく(陸奥)」という東北地方の古称に由来する命名です。 東北の豊かな自然と文化、そしていわきの地域性を表現した銘柄名で、地元で親しまれていた日本酒でした。 いわき市の炭鉱産業が盛んだった時代、労働者たちの日々の疲れを癒す晩酌の酒として、また地域の祝いの席を彩る酒として、人々の暮らしに寄り添っていました。 現在は廃業により製造されていませんが、いわきの地酒文化の一翼を担った銘柄として、その名は歴史に残されています。
Yuukan
勇冠は御代酒造店が醸す銘柄で、「勇ましく冠たる存在」という力強い意味を持つ命名です。 「勇」は勇気や勇敢さを、「冠」は第一位や最高位を表す言葉であり、品質の高さと蔵元の志を表現しています。 いわきの温暖な気候という難しい条件下での酒造りにおいて、高度な技術で醸される地酒として、地域で親しまれてきました。 地元の食材、特にいわきの豊かな海の幸との相性を重視した味わいで、地域の食文化を支える銘柄として位置づけられています。
Taiheizakura
太平桜は太平桜酒造を代表する銘柄で、「太平」は平和で穏やかな時代を、「桜」は日本の美しさと春の訪れを象徴しています。 ふくよかで旨みのある味わいが特徴で、飽きのこないどんな料理にも合う味わい設計がなされており、地元の食文化と調和する普段着の酒として親しまれています。 代表的な製品である純米酒「いわきろまん」は、やや甘口ですが重さを感じさせない、後味のスッキリした仕上がりです。 純米吟醸酒「じゃんがら」は、香りは控えめで穏やか、口に含むとまず綺麗な甘さが広がり、この甘さが後を引かずスパッとキレて、余韻に若干の酸味を感じる味わいとなっています。 全量福島県産・いわき市産米を使用し、地産米の使用と手造りの良さを生かした丁寧な造りにより、地域に根差した酒質を実現しています。 生産量の9割が地元のいわき市で消費される、地域に根差した普段着のお酒として、いわきの食文化を支える重要な銘柄です。
Matabee
又兵衛は四家酒造店を代表する銘柄で、創業者である初代又兵衛の名を冠した銘柄です。 先代が地元に根ざした独自の銘柄を作ろうと立ち上がり、代々受け継いできた「又兵衛」を銘柄に決めたことで、蔵元の歴史と伝統を体現するブランドとなりました。 いわき市では知らない人はいないほどの知名度を持ち、地元で愛される代表銘柄として親しまれています。 味わいは地元の食材にあわせて、甘口から辛口まで幅広いラインナップを展開しているのが特徴です。 上撰又兵衛はふくよかな旨みを感じる、冷でも燗でも楽しめる酒質で、純米吟醸酒は素直でまろやかな味わいが特徴で、透明感のある美しい香りと芳醇な味わいが楽しめます。 特別純米酒「ふくみ」は女性にも飲みやすい甘口の仕上がりで、原酒は味わいがありしっかり口当たりの商品として人気です。 大吟醸は綺麗で優雅な香り、透明感のある口当たりが特徴で、全国新酒鑑評会で6年連続金賞を受賞しています。 純米酒「いわき郷」は豊かな香りとまろやかな味わいが特徴で、口に含むとふくよかな旨みが広がり、キレのある後味が楽しめます。 生産量の9割が地元で消費されているため、いわき市を訪れる際にはぜひ手にとって欲しい銘柄として、地域の食文化と深く結びついています。
Shitokigawa
四時川は四家酒造店が手掛ける銘柄です。 「四時川」という名前は、四季を通じて絶え間なく流れる川のように、常に変わらぬ品質で地域に寄り添う酒でありたいという願いが込められていると考えられます。 四家酒造店の伝統的な製法と、南部杜氏による丁寧な酒造りによって醸され、地元いわきの食文化と調和する味わいを追求した銘柄です。
Nakosonoseki
勿来の関は鷺酒造店の100周年記念に造られた銘柄で、いわきを代表する歴史的名所「勿来の関」にちなんで命名されました。 勿来の関は奥州三古関(白河関、念珠ヶ関、勿来関)の一つとして、平安時代から多くの歌人に詠まれてきた東北地方の重要な関所跡です。 「来るなかれ」という意味を持つこの名は、蝦夷の南下を防ぐための関所であったことに由来し、いわきの歴史と文化を象徴する場所となっています。 純米酒は果実味がある味わいで、甘みと酸味が利いた円やかで飲みやすい酒質です。 柔らかさの中にもしっくりとした力強い味わいがあり、飲み飽きしない仕上がりとなっています。 原料米は国産米、精米歩合55%、アルコール度数15~16度で、冷やまたはぬるめの燗でより美味しくいただけます。 地域の歴史的名所を銘柄名に冠することで、いわきへの誇りと地域文化の継承という使命を果たす銘柄として、地元で親しまれています。
Seifuku
清福は鷺酒造店が手掛ける銘柄で、「清らかな福」という縁起の良い意味を持つ命名です。 「清」は清らかさや透明感を、「福」は幸福や繁栄を表す言葉であり、飲む人に幸せをもたらす酒でありたいという蔵元の願いが込められています。 いわきの温暖な気候という難しい条件の中で丁寧に醸され、地域の食文化に寄り添う味わいを追求した銘柄として、地元で愛されてきた日本酒です。
Shirafuji
白冨士は冨沢酒造店が300年以上にわたって醸し続けてきた銘柄で、双葉町を代表する地酒でした。 阿武隈山地の伏流水を仕込み水として使用し、代々の杜氏が全工程を手作業で仕込むことで、米の甘みが感じられる味わいを実現していました。 「白冨士」という名は、清らかで気高い富士山のイメージと、純白の酒質を表現した命名で、地域の人々に長年愛されてきました。 平成23年(2011年)の福島第一原発事故により、双葉町での酒造りは中断を余儀なくされましたが、救出された白冨士酵母は、蔵元家族の手によって守り抜かれました。 12年の歳月を経て、アメリカ・ワシントン州シアトル郊外で「SHIRAFUJI」として復活を遂げました。 シアトルで醸される「SHIRAFUJI」は、同じ醸造所で以前造られていたシャルドネの菌が自然に入ったと考えられ、ほんのりと白ワインのフルーティーさを感じさせる、新しい個性を持つ酒となっています。 300年以上の伝統を受け継ぎながらも、新天地で新たな個性を獲得した「SHIRAFUJI」は、困難を乗り越えて伝統を守り抜いた蔵元家族の情熱と、双葉町への変わらぬ愛着を体現する銘柄として、今もなお進化を続けています。
Saburou
三郎は馬場酒造本店が製造していた銘柄の一つです。 「三郎」という名前は、日本の伝統的な人名として親しみやすく、地域に根ざした酒造りを象徴する命名でした。 双葉郡浪江町で醸されていた地酒として、地元の人々の日常に寄り添い、祝いの席を彩る酒として親しまれていました。 平成23年(2011年)の震災と原発事故により製造は中断され、現在は製造されていませんが、浪江町の酒造文化の一翼を担った銘柄として、その名は地域の記憶に残されています。
Tanoshimi
樂實(たのしみ)は馬場酒造本店が手掛けていた銘柄です。 「樂實」という漢字表記は、「楽しみを実らせる」という意味を持ち、飲む人に喜びと満足をもたらす酒でありたいという蔵元の願いが込められていました。 双葉郡浪江町の地酒として、地域の食文化と調和する味わいを追求し、人々の暮らしに寄り添う存在でした。 平成23年(2011年)の震災と原発事故により製造は終了しましたが、浪江町の酒造文化と人々の記憶の中に、その名は刻まれています。