ポンシュ

Ponsh

家飲みの始め方 少量からそろえる道具と一本の選び方

楽しむ・実践#醇酒#初心者#家飲み#vessels#storage

家で日本酒を飲んでみたい。でも何をそろえればいいのか、一升瓶を買って余らせないか、と足が止まる人は多いはずです。

家飲みは、道具も量も最小から始められます。必要なのは小ぶりの器と、栓のできる保存と、水。最初の一本も、四合瓶なら手ごろな価格から選べます。余らせず無理なく続く形を、そろえ方から順に組み立てます。

まず用意するのは三つだけ

最小セットはこの三つ。これ以上は後から足せば足ります。

  • 酒器(手持ちの小さなグラスやお猪口で可)
  • 栓のできる容器(買った瓶がそのまま使える)
  • 和らぎ水(飲む合間に挟む水)

酒器の目安は、一口から二口ぶんの小ささ。香りを楽しみたいなら口の開いた形、すっきり飲みたいなら細めの形が向きます。徳利や一合といった器と単位の言葉は器と単位の言葉にまとめました。

保存は、買った瓶のままでかまいません。栓が閉まればよく、開けたら冷蔵庫へ。詳しい扱いは温度と保存で説明します。

三つめの水を、日本酒では和らぎ水と呼びます。飲む合間に挟む水のことです。日本酒造組合中央会は、水を挟むと悪酔いを防ぎやすく、飲むペースもゆるやかになるとしています。口の中もリセットされ、次の一杯や料理の味が鮮明になります。飲みはじめから一杯、手元に置いておくと安心でしょう。適正飲酒とあわせて和らぎ水と適正飲酒で詳しく扱います。

最初の一本は四合瓶の純米から

迷ったら、四合瓶(720ml)の純米酒。これが扱いやすい入口です。

四合瓶をすすめる理由は容量にあります。720mlは冷蔵庫に収まり、開けてから飲みきりやすい大きさ。一升瓶(1.8L)は量が多く、飲みきる前に味が変わりやすいためです。容量の選び方は買い方ガイドにも整理しました。

純米酒(米と米麹だけで造る酒)は、米の旨味が出やすく、常温でも燗でも表情が楽しめます。だから最初の一本に向きます。なお「純米=上等」という意味ではなく、あくまで造りの方向のひとつ。等級ではないと知っておくと、次の一本も選びやすくなります。区分そのものは純米・吟醸・大吟醸の違いで確かめられます。

温度とタイプを変えて好みを知る

好みは、飲み比べで早く見つかります。頭で選ぶより、少量を並べて比べたほうが確実です。

やり方は二つ。ひとつは同じ酒を冷酒と常温で飲み分け、温度で味がどう動くかを見る方法。もうひとつは、タイプの違う酒を少しずつ試す方法です。香りの高低と味の濃淡の二軸で、日本酒を四つのタイプに分ける見方があります。日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が提唱した分類で、日本酒造組合中央会なども同じ枠組みで紹介しています。名前は覚えなくてかまいません。まずは「はじめに合う飲み方」の列だけ見て、一本目を選んでみてください。

タイプ 香り 味わい はじめに合う飲み方
薫酒(くんしゅ) 高い。果実や花のよう 軽やか よく冷やして
爽酒(そうしゅ) 控えめ 軽快でキレ よく冷やして
醇酒(じゅんしゅ) おだやか 米の旨味とコク 常温から燗
熟酒(じゅくしゅ) 熟成した独特の香り 濃厚 常温から燗

タイプ別の見方は味と香りの見方、温度による変化は温度と保存でくわしく扱います。ひとつ、店でも役立つ豆知識を。「冷や」という言葉は、店で頼むと常温で出ることがあります。冷えた酒がほしいときは「冷酒で」と伝えると確実です。

開けたら冷蔵で立てて、早めに

開栓後の扱いは、味を守る要です。せっかくの一本も、置き方しだいで香りが落ちます。

保存の基本は、酒類総合研究所(NRIB、日本酒の研究を担う国の機関)の保管ガイドが三点にまとめています。光を避けること、温度を下げること、瓶を立てること。ワインと違い、横に寝かせないのが日本酒の作法です。寝かせると栓の内側に酒が触れ、風味が移りやすいためです。

開けたら冷蔵庫に入れ、栓をしっかり閉めて立てておきます。あとは早めに飲みきるだけ。とくに生酒は変化が早いので、いっそう早めに。飲みきれる量から始めれば、この失敗はほとんど防げます。開栓後の目安は酒の種類で幅があるため、温度と保存を参照してください。

少量から、無理なく

続けるコツは、抱え込まないこと。量を絞れば、余らせる不安も消えます。

小容量の瓶(300mlや180ml)を選ぶ、量り売りのある酒屋で少しだけ買う、四合瓶を数種類そろえて少しずつ開ける。どれも無理なく試せる形です。飲む合間には和らぎ水を挟み、体調と相談しながら量を決めます。少量で選ぶ視点は買い方ガイド、適正飲酒の考え方は和らぎ水と適正飲酒にまとまっています。

気づいたことは一言メモに

飲んだら、ひとことだけ書き留めておく。次の一本を選ぶときの、いちばんの手がかりになります。

銘柄と、温度と、感じたこと。「常温でうまい」「冷やすとすっきり」その程度で十分です。何本かたまると、自分がどのタイプに寄っているかが見えてきます。記録の取り方はテイスティングの実践で掘り下げました。器と保存と水、そして四合瓶が一本。ここから家飲みは始まります。

※この記事は20歳以上の方を対象としています。飲酒は適量を守り、妊娠中・授乳期の方や運転前の飲酒は避けてください。

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