東京港醸造は、江戸から続く酒造りの伝統を現代に蘇らせた東京23区内唯一の酒蔵です。
前身である「若松屋」は文化9年（1812年）に芝の地で酒造りを開始し、薩摩藩邸の近くにあったことから西郷隆盛や勝海舟が密談に利用したと伝えられています。
明治43年（1910年）に廃業を余儀なくされましたが、2011年に7代目当主が酒造りを復活させ、2016年に酒造免許を取得し、約105年ぶりに復活を果たしました。
敷地22坪、鉄筋コンクリート4階建てビルという都市型マイクロブリューワリーで、荒川水系の高度に浄化された水道水を仕込み水に使用する革新的な酒造りを実践しています。
この水道水は京都・伏見の地下水に水質が近い中軟水で、鉄分やマンガンがほとんど含まれない衛生的な水質を持ち、日本酒造りに適しています。
全量純米、全量原酒にこだわり、自家培養酵母（9号系）を使用し、タンクごとに酵母、製造方法、アルコール度数を変化させることで味わいの多様性を表現しています。
四季醸造により年間を通して安定した製造を行い、「東京の物語を飲みましょう」をコンセプトに、日々変化し続ける東京を日本酒で表現する世界でも珍しいマイクロブリューワリーです。
都心ならではの制約を逆手に取った革新的な酒造りで、東京の新しい酒文化を創造しています。