江頭酒造は明治三十年（1897年）に福岡県大牟田市三池で創業した歴史ある蔵元です。大牟田市は三池炭鉱で栄えた工業都市として知られていますが、江頭酒造はこの地で百年以上にわたり地酒を醸し続けてきました。
蔵の最大の特徴は、長期熟成酒（古酒）への特化です。江頭酒造は熟成酒の製造に特に力を入れており、秘蔵古酒として十年物、二十年物、さらには三十年物という極めて稀少な長期熟成酒を製造しています。これほどの長期熟成酒を安定的に製造している蔵元は全国的にも珍しく、古酒専門蔵としての地位を確立しています。
代表銘柄は「旭盛」で、通常の清酒製品に加えて、長期熟成させた「旭盛 秘蔵古酒」シリーズが特に有名です。また「すごく逢いたい」という印象的な名前の熟成酒も製造しており、二十年から三十年熟成という日本でも最も稀少な部類に入る古酒として、日本酒愛好家の間で注目されています。
製品ラインナップは清酒だけでなく、焼酎も製造しており、「大蛇山」「百薬之長」といった銘柄があります。「大蛇山」という名称は、大牟田の伝統的な祭りである大蛇山祭りに由来しており、地域の文化と深く結びついた命名です。
営業時間は午前十時から午後六時三十分まで、定休日は日曜日です。三池新町バス停から徒歩圏内にあり、地元の方々や訪問者が直接訪れることができます。
長期熟成酒という特殊な製品に特化することで、他の蔵元とは異なる独自の地位を築いており、熟成による深い旨味と複雑な味わいを追求する蔵元として、日本酒業界で独特の存在感を放っています。