宗玄酒造株式会社は石川県珠洲市宝立町宗玄に位置する、1768年創業の奥能登最古の酒蔵です。
創業一族は能登国守護であった能登畠山氏の一族、畠山義春の末裔で、天正5年(1577年)に七尾城主を務めていた義春が上杉謙信の城攻めに遭い、一族とともに珠洲に逃れて宗玄と改称し、明和5年(1768年)に酒蔵を興しました。日本四大杜氏に数えられる能登杜氏発祥の蔵と言われており、能登杜氏の高い技術に裏打ちされた酒造りが行われています。
低温発酵と軟水仕込みを駆使し、酒米の特徴を最大限に引き出すことで、奥行きのあるまろやかな口当たりを実現しています。フルーティで繊細な味を持つ吟醸酒の高品質化に成功し、「能登流」と呼ばれる昔ながらの酒造りに学びながらも、決して真似ることのない自分自身の新たな酒造りを誇りとしています。
創業当初より地域の人々からは、蔵元の宗玄家の名をとって「宗玄酒」と呼ばれ親しまれ、やや甘口のまろやかな酒を醸し続けています。毎年開催される全国新酒鑑評会で「大吟醸宗玄」が最高位の金賞を受賞し続け、その銘酒はANA国際線ファーストクラスにも採用されています。
2024年1月1日に発生した能登半島地震により出荷用酒瓶が多数損傷したほか、貯蔵トンネルの出入口が土砂崩れで埋没する被害を受けましたが、同年1月15日に酒造りの工程を再開しました。