株式会社鶴野酒造店は石川県鳳珠郡能登町鵜川に位置する、寛政～享和年間(1789-1804)頃に創業した歴史ある酒蔵です。
能登町の東海岸、波も穏やかな富山湾に臨む鵜川地区に蔵を構え、代表銘柄「谷泉」「登雷」「愛」などを醸造しています。最大の特徴は、石川県内唯一の女性杜氏・鶴野薫子氏が酒造りを担当していることです。14代目蔵元で蔵人の鶴野晋太郎氏と薫子氏の兄妹が、伝統を守りながら新しい挑戦を続けています。
地元の契約農家から仕入れた良質な酒米と、山間からの湧き水を使用し、丁寧にすべて手造りで酒造りを行うのが特徴です。豊かな自然と素朴な風土の中から生まれる清酒は、能登の風土を体現した味わいとして高く評価されています。
ラベルには能登の手すき和紙が使用され、伝統工芸との調和も大切にしています。2024年1月1日の能登半島地震では、酒蔵・店舗・住居すべてが全壊する甚大な被害を受けましたが、福光屋や吉田酒造店などとの共同醸造プロジェクトにより、酒造りを継続しています。困難を乗り越えながら、能登の酒造文化を守り続ける蔵元です。