二羽鶴酒造場は明治42年(1909年)に石川県能美市宮竹町で創業した、100年以上の歴史を持つ小規模な蔵元です。
仕込み水には美女山(びじょさん、標高380m)の麓から湧き出る軟水を使用しており、この柔らかな水質が二羽鶴の穏やかな味わいの基盤となっています。美女山は能美市のシンボル的な山で、古くから信仰の対象とされてきた霊峰であり、その伏流水は清らかで酒造りに適した優れた水質を持ちます。
二羽鶴酒造場の最大の特徴は、極めて少量生産の希少な酒造りを実践していることです。大量生産を追わず、丁寧な手作業による伝統的な製法を守り、地元を中心に限定的に流通する幻の地酒として知られています。
代表銘柄「二羽鶴」は、黒蜜や線香のような独特の香りと、複雑な味わいを持つ個性的な日本酒で、冷やから燗まで幅広い温度帯で楽しめる懐の深さを持ちます。能登杜氏の伝統技法を継承しつつ、独自の個性を追求する二羽鶴酒造場は、能登の小規模蔵元の魅力を体現する貴重な存在です。