尾崎酒造は新宮市船町に位置し、本州最南端の蔵元として知られる特別な立地を持つ酒造です。
新宮市は世界遺産・熊野古道の重要拠点であり、熊野三山（熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社）の玄関口として古くから栄えてきました。この地は熊野川が太平洋に注ぐ河口に位置し、山と海が出会う独特の風土を持っています。
本州最南端という温暖な気候は、一般的な酒造りの常識である「寒造り」とは異なる環境です。この温暖な気候の中で高品質な日本酒を醸すため、独自の工夫と技術が求められます。尾崎酒造はこの挑戦的な環境下で、紀州の風土を活かした酒造りを続けています。
代表銘柄「熊野三山」は、世界遺産である熊野三山の名を冠し、この地の歴史と自然への敬意を表現した銘柄です。熊野古道を訪れる参詣者や地元の人々に親しまれています。
その他にも「熊野川」「太平洋」「勇魚（いさな）」など、熊野の自然や海をテーマにした銘柄展開が特徴で、熊野の風土と文化を酒造りに反映させる蔵元としての個性を打ち出しています。
本州最南端という立地を活かし、熊野の豊かな自然と歴史を背景に持つ地酒として、独自の存在感を示しています。