吉岡酒造場は230年以上の歴史を持つ伝統的な酒蔵で、京都府京丹後市弥栄町溝谷外村に本社を置いています。
杜氏と溝谷集落在住の蔵人のみで受け継がれてきた丹後杜氏の伝統的な酒蔵のひとつで、少量手づくりの酒造りを実践しています。
最大の特徴は、すべての酒を昔ながらの木槽（きふね）で搾る、現代には珍しい製法を守り続けていることです。木槽は酒袋そのものの重さで酒を搾る手法で、自動圧搾ろ過機の倍以上の時間をかけて酒を搾るため、雑味の少ない澄んだ味わいが実現されます。
蔵に引いている水は金剛童子山の豊かな伏流水で、やや硬水ながら甘みがあってやわらかい特性を持ちます。金剛童子山は標高613.4mの熊野山系の主峰で、役行者が修行したと伝えられる霊峰です。
使用する米はほとんどが地元・丹後産で、地域に根ざした酒造りと伝統的な木槽搾りによる、時代を超えた味わいが魅力です。