Brands
Hanamune
花宗は福島酒造の代表銘柄です。八女市本町という八女の中心地に位置する福島酒造により醸されています。八女地域の特徴である釈迦岳・御前岳を源とする矢部川水系の良質な伏流水を使用しています。 八女は福岡県を代表する米どころでもあり、地元産の酒米を使用し、八女の風土を反映した地酒としての性格を持っています。銘柄名の「花宗」は、華やかな香りや上品な味わいを持つ酒です。
Hakataipponjime
博多一本〆は、福岡・博多を象徴するような「博多の酒」として楽しんでもらいたいという思いから誕生した純米酒です。銘柄名の「博多一本〆」は、博多独特の手締めである「博多一本締め」に由来しており、お祝いの席にも喜ばれる縁起酒としての性格を持ちます。 原料米には福岡県産の山田錦と夢一献を100%使用しており、精米歩合は55%です。地元福岡の米だけで醸すことにこだわり、福岡県産米の特性を最大限に活かした酒造りを行っています。アルコール度数は15度で、純米酒らしい米の旨味を感じられる設計となっています。 味わいの特徴は、穏やかな香りと滑らかな口当たり、そしてほど良い甘味です。口に含むとじわじわと広がるコクと旨味があり、すっきりと軽やかなノド越しでキレ良く仕上がっています。日本酒度は+1~+2のやや辛口で、甘すぎず辛すぎないバランスの良さが特徴です。
Shigemasu
繁桝は株式会社高橋商店の看板銘柄で、江戸時代享保2年(1717年)創業以来300年以上の歴史を持つ蔵元を代表する銘柄です。銘柄名は十代目高橋繁太郎の名前の「繁」と、酒を量る「桝」を組み合わせたもので、「桝が益々繁栄するように」との願いが込められています。 この銘柄の特徴は、カリウム・リン酸・マグネシウムを適度に含んだ清冽な矢部川の伏流水を使用していることです。この水は発酵に理想的な成分バランスを持ち、繁桝の味わいの基礎を形作っています。原料米には山田錦・雄町・吟のさと・夢一献といった福岡県産の酒造好適米を使い分け、それぞれの米の個性を活かした酒造りを行っています。 製法面では、江戸時代から続く伝統的な製法を守りながら、現代的な品質管理技術も取り入れています。特に麹造りを重視し、昔ながらの木製の麹室で蔵人が手間と時間をかけて良質な麹菌を育てています。 繁桝のラインナップは幅広く、大吟醸、純米大吟醸、純米吟醸、特別純米酒、本醸造など、多様なグレードと価格帯の商品を展開しています。それぞれの酒質において、米の旨味を活かしながらキレの良い後味を実現しており、食中酒としての完成度が高いことが特徴です。
Kaya
可也は繁桝の特別なラインの一つで、主に純米大吟醸として展開される高級銘柄です。銘柄名の「可也」は、福岡県糸島半島にそびえる可也山(かやさん)に由来すると考えられ、福岡の美しい自然への讃歌が込められています。 この銘柄の最大の特徴は、福岡県糸島産の雄町米を使用していることです。雄町は岡山県が原産の希少な酒造好適米で、栽培が難しく生産量が限られていますが、その独特の力強い旨味とコクで日本酒愛好家に高く評価されています。糸島という福岡県を代表する米どころで栽培された雄町を使用することで、福岡県産米100%のこだわりを実現しています。 「繁桝 可也 雄町 純米大吟醸」は、糸島産雄町を高精白で丁寧に磨き上げ、高橋商店の伝統的な麹造りの技術により醸されています。雄町特有の複雑な味わいと奥深いコク、そして純米大吟醸ならではの華やかな香りが調和し、飲み応えのある逸品に仕上がっています。
Kotan
枯淡は繁桝の熟成大吟醸シリーズの銘柄です。銘柄名の「枯淡」は、「枯れた」趣と「淡い」味わいを表現する言葉で、熟成によって角が取れ、円熟した味わいに達した酒を表現しています。禅的な境地を感じさせる、風雅な名称です。 この銘柄の特徴は、大吟醸を一定期間熟成させることで、通常の大吟醸とは異なる独特の味わいを引き出していることです。熟成により、新酒の時の華やかさや荒々しさが落ち着き、まろやかで深みのある味わいに変化します。 大吟醸ベースであることから、高精白の酒米を使用し、丁寧に醸した後に熟成させるという、手間と時間をかけた贅沢な造りを行っています。味わいの特徴は、熟成香と呼ばれる独特の香りと、まろやかで奥深い味わいです。通常の大吟醸のフルーティーな香りとは異なる、ナッツやドライフルーツのような複雑な香りが特徴で、味わいは円熟してまろやかで、長い余韻を楽しめます。
Koujiya
麹屋は繁桝のラインナップの一つで、吟醸酒と純米吟醸酒の両方のグレードが存在します。銘柄名の「麹屋」は、麹造りへの強いこだわりを直接的に表現した名称です。高橋商店が麹造りを最も重要な工程の一つと位置づけ、木製の麹室で蔵人が手間と時間をかけて良質な麹菌を育てていることへの自信と誇りが込められています。 麹は日本酒造りの要であり、「一麹、二酛、三造り」という言葉が示す通り、酒質を決定する最も重要な要素の一つです。高橋商店では江戸時代から続く伝統的な麹造りの技法を守り続けており、「麹屋」という銘柄名はその技術の結晶を表現しています。 この銘柄は、昔ながらの木製麹室で丁寧に育てられた麹を使用し、代々伝わる伝統的な製法により醸されています。吟醸タイプと純米吟醸タイプがあり、それぞれ異なる味わいの特徴を持ちます。吟醸タイプは華やかな香りと軽快な飲み口が特徴で、純米吟醸タイプは米の旨味をより直接的に感じられる味わいとなっています。
Kinranfujimusume
金襴藤娘は後藤酒造場の代表銘柄で、340年以上の歴史を持つ蔵元の伝統と技術を表現した銘柄です。銘柄名の「金襴」は金糸で織った豪華な織物を意味し、「藤娘」は藤の花のように美しく優雅な娘を表現しています。この組み合わせは、華やかで気品のある酒を連想させる優美な名称です。 この銘柄の特徴は、黒木町の豊かな良質の地下水を使用していることです。黒木の地下水は清澄で、酒造りに理想的な水質を持っており、金襴藤娘の味わいの基礎を形作っています。原料米には最高級の山田錦や福岡県産の夢一献を使用し、高い品質を追求しています。 商品ラインナップは多様で、大吟醸酒、純米大吟醸酒、吟醸酒、吟醸生貯蔵など、様々なグレードと製法の商品を展開しています。中でも「金襴藤娘 大吟醸酒」は、山田錦を38%という高精白まで丁寧に磨き上げ、杜氏が丹精込めて造った大吟醸の原酒で、アルコール度数17度の力強い味わいを持ちます。 後藤酒造場の高い技術力は、全国新酒鑑評会で5回の金賞、福岡国税局酒類鑑評会で15年連続入賞という実績に裏付けられています。340年以上という長い歴史の中で培われた伝統の技と、黒木の豊かな自然の恵みが一体となり、金襴藤娘という華やかで気品のある酒を生み出しています。
Asahimatsu
旭松は旭松酒造の看板銘柄で、蔵元名と同じ名称を持つ代表的な銘柄です。「旭」は朝日を、「松」は常緑樹の松を表し、縁起の良い組み合わせとして、めでたさと不変性を象徴する銘柄名です。 この銘柄の最大の特徴は、大正5年の創業当時から変わらない、昔ながらの手造りによる伝統的な製法で醸されていることです。冬場の寒仕込みのみで酒造りを行い、現代的な四季醸造は行わず、冬の厳しい寒さの中でじっくりと醸すという、日本酒本来の製法を守り続けています。 製造工程では、創業以来続く伝統の「槽しぼり」にこだわり、もろみを酒袋に入れて槽に積み重ね、自然の重みと緩やかな圧力でじっくりと搾ります。この伝統的な搾り方により、雑味の少ない清らかな酒が生まれます。また、米をセイロで蒸すことで、米がふんわりと仕上がり、嫌な雑味が出ない特徴があります。 仕込み水には黒木の「超」軟水の地下水を使用しています。この極めて柔らかい水質により、飲み口の良い酒に仕上がっています。味わいの特徴は「濃厚」で、日本酒の中では味が濃い方に分類されます。生産量は年間でタンク4~5本程度と極めて少なく、県外はもとより福岡市内でもめったに飲むことのできない希少な地酒です。 伝統的な製法を一切変えずに守り続ける姿勢、少量生産へのこだわり、そして黒木の超軟水という独特の条件が組み合わさり、旭松という唯一無二の個性を持つ銘柄が生まれています。
Chiyonishiki
千代錦は野田酒造の代表銘柄で、大正十二年に新嘗祭において献穀の栄に浴したことを記念して命名された歴史ある銘柄です。銘柄名には永遠の繁栄と華やかさを祈る意味が込められており、献穀という栄誉が蔵の米作りと酒造りの品質の高さを証明しています。 原料には筑後平野で収穫される良質な米を使用し、矢部川水系の清らかな伏流水で仕込まれます。筑後地方の豊かな水と米の恵みを最大限に活かした、地域に根ざした酒造りが特徴です。 千代錦のラインナップには純米酒、本醸造「幸若舞」、吟醸「酒仙」などがあり、それぞれ異なる味わいの特徴を持ちます。全体として筑後地方の淡麗な味わいをベースとしながら、米の旨味も感じられるバランスの良い酒質を目指しています。 野田酒造は古代米を使った酒造りでも知られており、千代錦ブランドと並行して「古代米 赤米酒」も製造しています。この古代米への取り組みは、伝統的な日本酒造りの技術を継承しつつ、新しい可能性に挑戦する蔵の姿勢を表しています。 地元みやま市を中心に愛飲され、筑後地方の食文化に寄り添う食中酒として、また祝いの席にもふさわしい縁起の良い銘柄として親しまれています。
Tomohisago
友ひさごは星隈酒造の代表銘柄で、筑後地方の伝統的な酒造りの技術を受け継いだ地酒です。銘柄名の「友ひさご」は、瓢箪(ひさご)を意味し、古来より縁起の良いものとされています。 仕込み水には矢部川水系の良質な伏流水を使用し、筑後平野で栽培される酒米を原料として醸されています。福岡県の水は軟水が多く、これにより口当たりがまろやかで繊細な味わいの日本酒が生まれます。 筑後地方の日本酒は、福岡県全体の淡麗辛口の傾向とは異なり、旨口で甘味のあるタイプも多く造られています。友ひさごも地元の食文化に寄り添う食中酒として、筑後地方の郷土料理との相性を重視した味わい設計がなされています。 地元みやま市を中心に流通しており、地域に密着した銘柄として親しまれています。星隈酒造の併設販売所で購入することができ、地元の方々に愛される地酒として、筑後地方の酒文化を支える銘柄の一つです。
Ikeizumi
池泉は池田屋の代表銘柄で、福岡県の豊かな自然の恵みを活かして醸される地酒です。銘柄名の「池泉」は、池から湧き出る清らかな泉を意味し、良質な水を使用した酒造りへの自信と、清らかで澄んだ酒質を表現していると考えられます。 福岡県は山田錦の主要産地であり、池泉もこの良質な酒米を使用している可能性が高いです。福岡県産の酒米と県内の良質な軟水を組み合わせることで、口当たりがまろやかで繊細な味わいの日本酒が生まれます。 福岡県の日本酒は全体として淡麗辛口の傾向がありますが、蔵元ごとに個性があり、池泉も池田屋独自の酒造りの技術と理念を反映した味わいを持っていると考えられます。すっきりとした飲み口と、米の旨味のバランスを大切にした酒質が特徴と推測されます。 地元を中心に流通しており、福岡県の食文化に寄り添う食中酒として親しまれています。もつ鍋や水炊きなど福岡の郷土料理との相性も良く、地域の食卓を彩る地酒として愛されていると考えられます。 池田屋では池泉ブランドの他に、福寿池泉という銘柄や料理用清酒、酒塩なども製造しており、清酒製造の技術を活かした多様な商品展開を行っています。
Kikubijin
菊美人は菊美人酒造の看板銘柄で、享保二十年の創業以来三百年近くにわたり醸され続けてきた歴史ある銘柄です。銘柄名は「菊」の気高さと「美人」の優美さを組み合わせたもので、上品で華やかな日本酒を目指す蔵元の理念を表しています。 この銘柄の最大の特徴は、柳川の詩聖・北原白秋との深い縁です。白秋の実姉が六代蔵元の妻であった縁から、白秋は菊美人酒造を度々訪れ、菊美人を愛飲しました。白秋が揮毫した「菊美人」の書は現在も酒ラベルに使用されており、文化的価値の高い銘柄として知られています。 仕込み水には矢部川の伏流水を使用し、原料米には酒造好適米の山田錦と筑後地方の酒米「夢一献」を厳選しています。柳川杜氏の伝統的な技術により、九州らしいのどごしのある濃醇な味わいが特徴です。 製品ラインナップは多岐にわたり、純米吟醸酒は厳選した山田錦を55%精米し、全て蔵人の手づくりで低温発酵させることで、やさしいまるみと吟醸香が広がる味わいを実現しています。特別純米酒は福岡県産の夢一献を60%磨いた白米と筑後の良水でていねいに仕込み、やや辛口で豊かな旨みとふくらみを持つ酒質です。 福岡国税局酒類鑑評会で金賞を連続受賞し、福岡県酒類鑑評会で福岡県知事賞と福岡県議会議長賞を受賞、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)で金賞を獲得するなど、その品質の高さは国内外で認められています。 北原白秋が愛した日本酒として、文化的背景を持ちながらも、現代の技術と伝統の技が融合した高品質な日本酒として、地元筑後地方はもとより広く愛される銘柄です。
Kyuushuudanji
九州男児は菊美人酒造が醸す銘柄の一つで、九州男児の気概と力強さを表現した銘柄名が特徴です。「九州男児」という名称は、九州の男性の勇ましさ、豪快さ、そして人情に厚い気質を象徴する言葉であり、その名の通り力強い味わいを持つ酒を連想させます。 菊美人酒造の他の銘柄と同様に、矢部川の伏流水を仕込み水とし、福岡県産の良質な酒米を使用して醸されています。柳川杜氏の伝統的な技術により、九州らしい個性を持った酒質に仕上げられていると考えられます。 菊美人酒造は主力銘柄「菊美人」で知られていますが、九州男児という銘柄を通じて、より幅広い層の日本酒愛好家に向けた製品展開を行っています。菊美人が優美で繊細な味わいを追求しているのに対し、九州男児は名前が示す通り、よりストレートで力強い印象の酒質を目指しています。 筑後地方の郷土料理や、九州の濃い味付けの料理との相性を重視した食中酒として、地元を中心に親しまれていると考えられます。もつ鍋や水炊きなど、福岡の名物料理とも好相性の日本酒です。 菊美人酒造の高い醸造技術と品質管理のもとで造られており、同蔵の国内外での受賞歴が示すように、確かな品質を持った銘柄として信頼されています。
Shinriki
神力は玉水酒造が誇る純米大吟醸で、幻の酒米「神力」を復活させて醸す極めて希少な銘柄です。神力という酒米品種は大正から昭和初期にかけて栽培されていましたが、その後栽培が途絶え、長い間「幻の酒米」となっていました。これを玉水酒造の山下茂氏らが復活させ、現代に蘇らせたことは、日本酒業界においても特筆すべき功績です。 この純米大吟醸は精米歩合50%まで磨き上げ、吟醸造りの手法で丁寧に醸されています。しかし年間の生産量は約一千本(一升瓶換算)程度と極めて限られており、入手困難な日本酒として知られています。 味わいの最大の特徴は、一般的な山田錦を使用した大吟醸酒とは異なる個性です。山田錦の大吟醸が華やかな吟醸香を持つのに対し、神力を使用したこの酒は香りが控えめで、むしろ米本来の旨味を存分に味わえる酒質となっています。洗練された舌触りと、神力という酒米がもたらす自然な旨味が調和し、日本酒の原点を感じさせる味わいです。 生産された酒のほとんどは地元みやま市周辺で消費され、福岡市内や東京・大阪などの大都市圏ではほとんど流通していません。このため、真の地酒中の地酒として、知る人ぞ知る銘酒となっています。 幻の酒米を復活させたロマンと、天然醸造による伝統的な製法、そして限定的な生産量が相まって、神力は日本酒愛好家の間で特別な存在として位置づけられています。昭和の時代の日本酒の味わいを現代に伝える、文化的価値の高い銘柄です。
Tamamizu
玉水は玉水酒造の代表銘柄であり、蔵の名を冠した看板商品です。銘柄名の「玉水」は、宝石のように美しく清らかな水を意味し、良質な仕込み水を使用した酒造りへの自信と、清らかで澄んだ酒質を表現しています。 明治十一年の創業以来、百年以上にわたり地元みやま市高田町で醸され続けてきた歴史ある銘柄で、地域の人々に深く愛されてきました。戦時中の休業を経て昭和三十年に復活して以来、五代目の山下茂氏を中心に、天然醸造という伝統的な製法を守り続けています。 味わいの特徴は、濃厚でしっかりとした味わいです。地元の契約栽培米である山田錦や麗峰などを使用し、自然の力を最大限に活かした天然醸造により、米本来の旨味とコクを引き出しています。福岡県全体の淡麗辛口の傾向とは一線を画し、筑後地方特有の旨口で味わい深い酒質を持っています。 製品ラインナップには純米酒、本醸造、普通酒など多様な種類があり、それぞれの価格帯で玉水らしい濃厚な味わいを楽しむことができます。地元の食文化に寄り添う食中酒として、筑後地方の郷土料理との相性が良く、日常の食卓を彩る酒として親しまれています。 玉水酒造の製品のほとんどは地元で消費されるため、福岡市内や大都市圏ではほとんど流通していません。このため玉水は真の地酒として、地元の人々のみが楽しめる特別な存在となっています。蔵の併設販売所やオンラインストアで購入可能ですが、その味わいを求めて遠方から訪れる日本酒愛好家も少なくありません。 天然醸造という伝統的な製法を守りながら、地域に根ざした酒造りを続ける玉水酒造の理念が凝縮された、筑後地方を代表する地酒です。
Minenokura
峰乃蔵は玉水酒造が醸す銘柄の一つで、「峰の蔵」という名が示す通り、山の峰にある蔵で造られる日本酒というイメージを表現した銘柄名です。福岡県みやま市高田町の地形や自然環境を反映した命名と考えられます。 玉水酒造の他の銘柄と同様に、天然醸造という伝統的な製法により醸されており、自然の力を最大限に活かした酒造りが特徴です。地元の契約栽培米を使用し、地域に根ざした原料選びを実践しています。 玉水酒造は代表銘柄「玉水」と純米大吟醸「神力」で特に知られていますが、峰乃蔵はこれらとは異なる個性を持った製品ラインとして位置づけられていると考えられます。蔵の多様な製品展開の一環として、異なる味わいや価格帯のニーズに応える銘柄です。 製品のほとんどは地元みやま市周辺で消費される地酒であり、大都市圏ではほとんど流通していません。このため峰乃蔵も地元の人々が楽しむ真の地酒として、地域の食文化に寄り添う存在となっています。 玉水酒造が守り続ける天然醸造の理念のもと、伝統的な技術で丁寧に醸された日本酒として、地元の方々に親しまれている銘柄です。
Asahimori
旭盛は江頭酒造の代表銘柄で、明治三十年の創業以来百年以上にわたり大牟田の地で醸され続けてきた歴史ある地酒です。銘柄名の「旭盛」は、朝日が昇る様子の勢いと繁栄を表現しており、縁起の良い名前として親しまれています。 通常の清酒製品に加えて、江頭酒造の最大の特徴である長期熟成酒のラインナップが充実しています。「旭盛 秘蔵古酒十年」は十年間じっくりと熟成させた古酒で、熟成による深い旨味と複雑な香りが特徴です。通常の日本酒とは全く異なる、琥珀色の美しい色合いと、まろやかで奥行きのある味わいを楽しむことができます。 さらに上位の製品として、二十年熟成や三十年熟成の秘蔵古酒も存在し、これらは全国的に見ても極めて稀少な日本酒です。長期熟成により、米の旨味成分がゆっくりと変化し、独特の風味と深みを獲得します。古酒特有の香ばしさや、まったりとした舌触り、長い余韻は、通常の日本酒では得られない特別な体験を提供します。 また「旭盛 まぼろしの吟醸酒」という製品もあり、こちらは吟醸造りの技術を活かした華やかな香りと上品な味わいが特徴の製品です。 旭盛ブランドは、通常の清酒から長期熟成の古酒まで幅広いラインナップを持ち、それぞれの製品で異なる日本酒の楽しみ方を提案しています。特に長期熟成酒は、時間という要素を味わいに変える日本酒の奥深さを体現した製品として、日本酒愛好家の間で高く評価されています。 地元大牟田を中心に愛され続けながらも、その特殊な製品性により全国の古酒ファンからも注目される銘柄です。
Sugokuaitai
「すごく逢いたい」は江頭酒造が製造する長期熟成酒で、その印象的な銘柄名と極めて稀少な熟成年数により、日本酒愛好家の間で話題となっている銘柄です。銘柄名の「すごく逢いたい」は、長い年月を経て熟成された酒との再会、あるいは大切な人との再会を想起させる情感豊かな命名です。 この銘柄の最大の特徴は、二十年から三十年という極めて長期にわたる熟成期間です。これほどの長期熟成酒は日本全国を見渡しても非常に稀であり、江頭酒造が古酒専門蔵として確立した技術と設備があってこそ実現できる製品です。 長期熟成により、酒の色は琥珀色から深い茶褐色へと変化し、味わいも劇的な変化を遂げます。米の旨味成分がゆっくりと熟成することで生まれる、まろやかで複雑な味わい、古酒特有の香ばしさ、そして深いコクと長い余韻は、通常の日本酒では決して味わえない特別なものです。 年間の生産量は極めて限られており、長期熟成という性質上、一度に大量生産することは不可能です。このため「すごく逢いたい」は入手困難な幻の酒として知られ、その稀少性も相まって特別な価値を持つ銘柄となっています。 飲用に際しては、常温またはぬる燗で楽しむことが推奨されます。冷やすと香りが閉じてしまうため、温度を上げることで長期熟成がもたらす複雑な香りと味わいを十分に引き出すことができます。濃厚な料理やチーズなどとのペアリングも楽しめ、日本酒の新しい可能性を感じさせる銘柄です。 二十年、三十年という歳月をかけて育まれた味わいは、まさに時間の芸術品であり、日本酒の持つ熟成の可能性を極限まで追求した江頭酒造の挑戦の結晶です。
Hyakuyakunochou
百薬之長は江頭酒造が製造する銘柄の一つで、「酒は百薬の長」という古くからの言い伝えに由来する縁起の良い命名です。この言葉は、適度に飲む酒はどんな薬にも勝る健康の源であるという意味であり、酒の持つ文化的・社会的価値を表現しています。 江頭酒造は清酒だけでなく焼酎も製造しており、百薬之長もその製品ラインナップの一つです。蔵の伝統的な醸造技術を活かし、丁寧に造られた製品と考えられます。 江頭酒造は長期熟成酒に特化した蔵元として知られていますが、百薬之長のような製品を通じて、より幅広い層の顧客に向けた製品展開も行っています。蔵の技術と理念を反映した、品質の高い製品として地元を中心に親しまれていると考えられます。 銘柄名が示す通り、健康や長寿を願う縁起の良い酒として、贈答用や祝いの席でも好まれる製品です。江頭酒造の確かな醸造技術のもとで造られており、同蔵の他の製品と同様に、品質へのこだわりが貫かれています。
Daijayama
大蛇山は江頭酒造が製造する銘柄で、大牟田市の伝統的な祭りである「大蛇山祭り」に由来する地域色豊かな命名です。大蛇山祭りは大牟田の夏を彩る重要な祭礼であり、この銘柄名は地域の文化と深く結びついた蔵の姿勢を表しています。 大蛇山祭りは、巨大な山車に大蛇を模した飾りをつけて練り歩く勇壮な祭りで、大牟田市民にとって特別な意味を持つ伝統行事です。この祭りの名を冠した「大蛇山」という銘柄は、地元の誇りとアイデンティティを体現した製品といえます。 江頭酒造は清酒だけでなく焼酎も製造しており、大蛇山もその製品ラインナップの一つです。地元の祭りに因んだ命名により、地域に根ざした酒造りの理念を表現しています。 祭りの勇壮さと活気を連想させる銘柄名であり、地元の方々にとっては郷土への愛着を感じさせる特別な存在です。祭りの時期には特に需要が高まり、大牟田の文化を象徴する酒として親しまれていると考えられます。 江頭酒造の確かな醸造技術により造られた製品であり、地域の伝統文化と酒造りの伝統が融合した、大牟田ならではの銘柄です。